個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2020年2月刊行、門前典之作「エンデンジャード・トリック」をご紹介します。およそ5年ぶりの門前典之さんの新作という事で楽しみにしておりました。探偵・蜘蛛手が活躍するシリーズでは第5作目の作品です。
門前典之さんといえば、奇抜な発想の本格ミステリーを手掛ける、『バカミス(そんなバカな!という驚きのミステリー)』を代表する作家さんです。過去にご紹介した「屍の命題」は衝撃を受けた国内ミステリーの内の一つで、未読の方は是非ともこちらからチェックしていただきたいと思います。(蜘蛛手シリーズの第1作目という位置付けです)
(参考)屍の命題/門前典之(蜘蛛手シリーズ第1作)
本作は「キューブハウス」という摩訶不思議な建物が併設した旅館で起きる殺人事件に探偵の蜘蛛手が挑みます。「過去の未解決事件」アリ、「バラバラ殺人」アリ、「熊」アリ(熊??)、と何でもありの展開ですが、トリックも面白く最後までノンストップで楽しめる作品です。
ズバリ、この作品は、
概要
令和時代の奇想の本格。新本格ミステリー愛読者への挑戦状!百白荘のゲストハウス、キューブハウスから施工業者が転落して死亡した。転落事故として処理されたが、翌年本館で設計者の首吊り死体が発見される。五年後、キューブハウスには多くの客が集まっていた。その中には二件の未解決事件を解明する依頼をうけた蜘蛛手がはいっていた。
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: S(犯人までは言い当てる事ができなかった・・・)
文章構成: S(ラストを大いに堪能しました)
登場人物: B(蜘蛛手さんのキャラを毎回忘れてしまう)
読みやすさ: A(トリックありきなので、非常にシンプルで読みやすいです)
再読したい度: S(忘れた頃に再読したいですね)
おススメ指数 A
「キューブハウス」という建築物で起きるミステリー。いつも通り楽しませてもらいました。
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感想
舞台は長野県の山奥にある旅館・百白荘とその敷地内に併設する四階建てのゲストハウス・通称「キューブハウス」。2009年にはこのゲストハウスの施工業者が、その翌年には設計担当者が死亡する事件が発生します。その5年後、過去の未解決事件を解決するため、探偵の蜘蛛手は相棒の宮村と共にこのゲストハウスに宿泊する事になります。しかしながら、これが再度始まる凄惨な事件の幕開けでした。
本作では、旅館・百白荘と、併設するキューブハウスという四階建ての建物で起きる殺人事件の解決に挑みます。殺人事件から5年後に集まったゲスト達には様々な思惑がうかがえます。また、この地域は人喰い熊が生息するとも言われており、読み進めながらどんどん謎が深まっていくでしょう。しかしながら、それと同時に謎を解くピース・伏線は巧みに散りばめられていきます。それだけに、解決編を読んだ後には途中で感じていた様々な違和感が回収されていく事でしょう。
また、本作でも「新本格ミステリ愛読者への挑戦状」が登場します。挑戦状では「トリックには容易に辿り着くであろう」と書かれていますが、この文章を書きながらニヤリとする作者さんの顔が思い浮かびます。謎解きに自信のある方は是非ともチャレンジしてみてください。
5年ぶりの門前典之さんの新作ミステリーは、ラストまで本格ミステリを大いに堪能できる作品でした。もしご興味を持たれた方は是非とも本作をチェックしてみてください。