個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日より4日間は、エラリー・クイーン著「悲劇」4部作を続けてご紹介いたします。エラリー・クイーンはバーナビー・ロスという名義でも活躍しており、本作は後者の名義で発表されていますが、本ブログではエラリー・クイーン作としてご紹介いたします。実はこの作者、フレデリック・ダネイとマンフレッド・ベニントン・リーという「従兄弟タッグ」であり、ダネイがトリックを、リーが執筆をというように二人三脚で作品を仕上げていたそうです。
本日は、第1作のXの悲劇です。この作品、なんと1923年の作品なんですがいまだ色褪せることはありません。私は推理小説が大好きな人間ですが、これまで読んだ推理小説に出てきた探偵(役)の中で、メインキャラのドルリー・レーンが最も好きなんです。探偵といっても実はこの人、元舞台俳優でして、耳が聞こえないながらも鮮やかな推理を披露します。第1作はドルリー・レーンの魅力を感じられる仕上がりとなっております。
ズバリ、この作品は、
この四部作は絶対に期待を裏切りません。
概要
ニューヨークの電車の中で起きた奇怪な殺人事件。おそるべきニコチン毒をぬったコルク玉という新手の凶器が使われたのだ。この密室犯罪の容疑者は大勢いるが、聾者の探偵、かつての名優ドルリー・レーンの捜査は、着々とあざやかに進められる。“読者よ、すべての手がかりは与えられた。犯人は誰か?”と有名な挑戦をする、本格中の本格。
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: S(美しいです。しかも超フェア)
文章構成: A(王道の展開でしょうか)
登場人物: S(ドルリー・レーンの人柄と論理的思考に惚れます)
読みやすさ: A(NYの時代背景は理解が必要かもしれませんが読みやすいです)
再読したい度: A(終盤の怒涛の展開はドキドキしますね)
読了後、こんなにスッキリする作品もなかなかないのでは?
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感想
四部作としては起承転結の「起」としての役割を果たす作品ですが、無論この作品だけでも完璧な仕上がりとなっている事が素晴らしいのです。特に終盤のパートはお見事です。ドルリー・レーン氏の鮮やかな推理が展開されます。しかも、読者に対しても同様にしっかりと謎を解明するヒントがフェアに提示されています。
私の場合、終盤まで「全くわからない・・・難しいわ」と思っていたのが、レーン氏の推理を聞いて「何故こんなに簡単な謎が解けなかったのか?」と感じるという不思議。それだけレーン氏の論理だった推理が素晴らしいのです。
是非ともレーン氏の推理に酔いしれてください。
次回は「Yの悲劇」です!