個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は岡嶋二人の超名作、「クラインの壺」をご紹介致します。実はこの小説、恥ずかしながら最近Twitterのフォロワー様におススメしていただいたのをきっかけに読んだんです。
興味がありつつも読んでいなかった事もあり、「どうしてこれまで読まなかったんだろう?」と後悔するぐらいの完成度でした。ご紹介いただいたフォロワー様、ありがとうございました。<(_ _)>
ズバリ、この作品は、
概要
200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。不世出のミステリー作家・岡嶋二人の最終作かつ超名作。
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: A(どの辺りからどうなっているのか混乱 笑)
文章構成: A(良く練られたプロット、少しずつ明らかになる真相にワクワク)
登場人物: B(登場人物はどこにでもいそうなイメージ、それが怖い 笑)
読みやすさ: A(情景描写よりは会話が多いですが主人公達の状況が良くわかります)
再読したい度: S(30年前にここまで想像できるなんて・・・)
作者には未来を見通せる未来があったのでは?今読んでも違和感の無い出来です。
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感想
この作品、1989年に刊行ということで30年前にもなりますが、当時は存在すらなかったと思われるバーチャルリアリティーの世界が見事に表現されております。また、次第に明かされる真相とスリリングな展開にドキドキしながら読み進めることができます。
私はこの作品を読んで、ベルギーの画家であるルネ・マグリットを思い出しました。
ルネ・マグリット「イメージの裏切り」
この絵には、「これはパイプではない」と書かれています。マグリットは、「これはあくまで本当のパイプではなく、パイプをイメージして描かれた絵である」、と言いたかったのでしょうか。また、マグリットは友人に、「目の前にある物体は本当にそこに存在するのか?これは誰にも証明する事ができない」とも話していたようです。
クラインの壺でもバーチャルリアリティーの世界を通じて、仮想と現実の狭間を小説として非常に見事に表現されています。この世界は本当に存在しているのか?それは案外誰にもわからない事かもしれません。
不思議な世界感とスリリングな展開を体験できる「クラインの壺」是非とも体験されてはいかがでしょうか。