『オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎』:新潮ミステリー倶楽部賞受賞のデビュー作

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は2000年刊行、伊坂幸太郎作「オーデュボンの祈り」をご紹介します。本作は、超人気作家・伊坂幸太郎さんのデビュー作であり、新潮ミステリー倶楽部賞受賞作でもあります。

日本地図にも存在しない忘れられた島・荻島で起きた「カカシ」殺人事件。この未来を見通すことができるカカシは何故殺されてしまったのか。ファンタジー設定を利用した独自の世界観を感じられる本作は、ミステリーとしてだけでなく、純粋に一つの物語としても楽しむことができる良作です。

ズバリ、この作品は、

『独特の世界観が構築された物語を楽しみたい』人向けです。

 

概要

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人��を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 伊坂幸太郎、伝説のデビュー作見参!

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: B(妙にリアルなカカシ殺人事件)

文章構成: A(少しずつ行われる伏線回収はお見事でした)

登場人物: S(伊坂作品の登場人物には”生”が感じられます)

読みやすさ: B(淡々と進行していきますが最後まで読める不思議)

再読したい度: A(忘れた頃に再読してしまう作品です)

おススメ指数 A
不思議な世界観の構築と鮮やかな伏線回収が素晴らしかった。

 

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感想

本作は、今や超人気作家となった伊坂幸太郎さんの記念すべきデビュー作です。伊坂幸太郎さんの作品は、独自の世界観の中で動き回るキャラクターと鮮やかな伏線回収が魅力であると個人的には感じておりますが、デビュー作ながら本作でもこれらの魅力を存分に堪能することができます。

作中では、未来を見通すことができるカカシ殺人を許された青年絶対に嘘をつく画家、といった不思議なキャラクターが次々に登場しますが、彼らが非常にうまく相互作用しており、本作を特異な作品にしています。全ての登場人物の存在や言動には意味を持たせてあるため、終盤での絡み合った糸がほぐれていく様は伊坂幸太郎作品の醍醐味であるといえ、本作でも体感することができるでしょう。

小説の世界観に惹きこまれる本作、伊坂作品にハマってしまった場合は、他の伊坂作品を読むことでしか欲求を満たすことができなくなるでしょう。ミステリー要素は含まれていますが、普段ミステリーを読まない方でも楽しむことができる作品です。伊坂幸太郎作品にご興味を持たれた方は、デビュー作である本作もチェックされてはいかがでしょうか。

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