『青光(ブルーライト)/柴田よしき』:私立探偵と刑事の視点から事件に迫る本格サスペンス

個人的こんな方におススメ♬

 

こんにちは、RKOです。本日は2019年9月刊行、柴田よしき作「青光(ブルーライト)」をご紹介します。本作は、2016年に早川書房より単行本として刊行された「青光の街」を改題、文庫化した作品です。

 

2016年の「青光の街」は未読でしたが、この度文庫化されるという事で手に取ってみる事にしました。本作では、青い電飾(ブルーライト)が遺体のそばに置かれた連続殺人事件と、女性誘拐事件が同時に発生。私立探偵の視点と刑事の視点という複数の視点からこれらの不可思議な事件に迫る本格サスペンス作品でした。

 

ズバリ、この作品は、

『着地点が全く読めないミステリーを読みたい』人向けです。

 

概要

 

不可解な連続殺人事件が東京を震撼させていた。青い電飾が遺体のそばに撒かれるという以外には各事件の接点はない。同じ頃、作家でブルーライト探偵社所長の草壁ユナのもとに女友達の秋子から助けを求めるメールが届く。家族に確認すると、ユナと旅行中だというがユナに覚えはなかった。また、探偵社で依頼を受けた身辺調査が連続殺人事件と奇妙な繋がりを……数々の伏線が回収され、何度も騙される……ミステリーの醍醐味が味わえる本格サスペンス!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

 

謎の素晴らしさ: A(幾つもの事件がどう絡まっていくのか目が離せない作品)

文章構成: S(着地点がまさかそこにあるとは・・・)

登場人物: A(私立探偵視点×警察視点から事件を見るという趣向が良いです)

読みやすさ: B(登場人物も多く複雑ですので一気に読んだ方がいいでしょう)

再読したい度: A(再読すると感じ方も変わるかも)

おススメ指数 A

私立探偵視点×警察視点という複数視点での、着地点が予測できないミステリーでした

 

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感想

 

東京都を中心に発生した連続殺人事件。一見なんの関係もない被害者達の遺体の近くには、青い電飾(ブルーライト)が置かれていました。警視庁捜査一課の蒲原恭一は、この不可思議な連続殺人事件の捜査を行っていきます。同じ頃、ブルーライト探偵社の所長・草壁ユナは、親友から「助けて」という件名のメールを受け取ります。これらの事件は果たして関係があるのか。事件は思わる方向へと進んでいく事になります。

 

本作は、複数の私立探偵達と複数の刑事達の視点で進行していきます。登場人物も多く、様々な視点から複数の事件について語られていく形式上、読み始めは結構混乱してしまうかもしれません。しかしながら、探偵目線での捜査、刑事目線での捜査の違い、登場人物達それぞれの事件に対する考え方が描き分けられている点が非常に興味深く、一気読みできる作品でした。

 

また、終盤にかけてそれまで散りばめられた伏線が次々と回収されていく様は素晴らしく、物語は思いがけない終着点へと辿り着きます。読後の余韻も印象的で、最初から最後まで楽しめる作品だなと感じました。

 

私立探偵小説、警察小説という二つの側面を併せ持った本格サスペンス小説である本作。複数の事件を複数の登場人物達の視点から描く同時進行型ミステリーでもあります。ご興味を持たれた方は本作をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

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