『図書館司書と不死の猫/リン・トラス』:この猫、どこか変

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は英国小説、リン・トラス作「図書館司書と不死の猫」をご紹介します。原題は「Cat Out of Hell (2014年)」、日本語訳版は2019年5月に刊行されました。

本作を手に取ったきっかけは、「可愛らしい猫さんの表紙」でした。タイトルから「猫を題材としたイギリスミステリー」を期待しておりましたが、良い意味で期待を裏切られる結果に。中身は、人間の言葉を話す不思議な猫・ロジャーを中心としたトンデモ展開ファンタジーホラー風物語でした。

ズバリ、この作品は、

『トンデモ展開ファンタジーホラー風小説が気になる』人向けです。

 

概要

愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。添付されていたフォルダには、突然失踪した姉をさがす男の手記と、その女性に飼われていた猫に関する信じがたい情報がおさめられていた。猫は人間の言葉をしゃべり、血も凍るような過去を語っていた―。わたしは好奇心に駆られて、真偽を確かめようと調査にのりだす。予測不可能な恐ろしい事態に巻きこまれるとも知らずに…。ミステリ、ホラー、文学への愛がたっぷり詰めこまれた、不死の猫をめぐる不思議でブラックな物語! (「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: C(ハードボイルド感を感じます)

文章構成: B(その展開は想像できなかつた)

登場人物: A(こんなの僕たちの猫じゃない!(笑))

読みやすさ: A(サクサク読めるので海外ミステリーが苦手でも大丈夫かと)

再読したい度: B(続編は出ているそうで次作にも期待ですね)

おススメ指数 A
ミステリー?ホラー?不思議なファンタジー。でも楽しめました。

 

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感想

最愛の妻を亡くした主人公・アレックのもとに奇妙なメールと添付ファイルが送られます。ファイルにはウィギーという男の手記と、ロジャーと呼ばれる猫との会話記録が残されていました。猫は人間の言葉を操り、自らが不死となるきっかけとなった”ある猫との物語“を語ります。なぜ自分のところにこんな奇妙なメールが送られてきたのか?好奇心に駆られたアレックは、ロジャーという猫が本当に存在するのか、独自で調査を行うことにします。それが地獄への入口とは知らずに・・・・。

本作はミステリー、ホラー、ファンタジーといったあらゆる要素を詰め込んだおもちゃ箱のような作品でした。不死であり人間以上の知能を持つ猫・ロジャーの不思議な魅力に魅せられます。また、イギリス流のブラックユーモアが散りばめられた作品で、ハムレットなど古典文学の引用も随所に盛り込まれています。ただ、ホラー要素はそこまで強くないと感じましたので、ホラーが苦手な方も楽しめるんじゃないかと個人的には思いました。

なお、本作に登場する猫達は非常にブラックな奴らです。猫好きの方は「こんなの僕達の猫じゃない!」と思ってしまう可能性が高いのでご注意ください。また、ミステリーやホラーだと期待して読むと拍子抜けするかもしれませんね。あくまでミステリーやホラーのエッセンスを取り入れた奇妙な物語を楽しむ作品かと思います。

不死の猫・ロジャーを巡る不思議な物語。なぜアレックのもとにメールが送られてきたのか?果たして彼はロジャーに会うことができるのでしょうか。ご興味を持たれましたら是非本作をチェックしていただければと思います。

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