『ゴーストライター/キャロル・オコンネル』:謎の人物に脚本が書き換えられた芝居が行き着く先は・・・

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は、キャロル・オコンネル作「ゴーストライター」をご紹介します。冷血な女刑事マロリーが活躍するシリーズの第11作です。ちなみに、第1作は「氷の天使」。アメリカの作家にも関わらず、ヨーロッパで出版権がオークションにかけられ、アメリカに逆輸入される形で出版・ベストセラーとなった作品です。

シリーズ第1作:氷の天使

本作はシリーズの最新作ではあるものの、このシリーズはどの作品から読んでも楽しめるようになっておりますので、あらすじを読んで気になった方は本作から読んでいただいても大丈夫かと思います。

ズバリ、この作品は、

『魅力的な女刑事を中心としたミステリーを読みたい』人向けです。

 

概要

上演中の芝居の脚本家が、客席の暗闇のなかで喉を掻き切られて死んでいた。駆けつけたNY市警のマロリーとライカーは捜査を開始する。だが、劇場の関係者は全員が変人ぞろい。おまけにゴーストライターなる人物が、日々勝手に脚本を書き換えているという。ゴーストライターの目的は?殺人事件との関わりは?氷の天使マロリーが舞台の深い闇に切り込む。好評シリーズ最新刊。(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: B(三夜連続第一幕で人が死ぬという興味深い展開)

文章構成: C(アップダウンがあまり無く淡々と進みます)

登場人物: B(主人公マロリーが非常に魅力的です)

読みやすさ: C(読み手を選ぶかも)

再読したい度: C(第1作から読んでみようと思います)

おススメ指数 C
ゴーストライターが脚本を書き換えていく、というアイディアは面白いと思いました。

 

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感想

本作は、「上演開始日から三夜連続、第一幕で人が死ぬ」というブロードウェイ演劇の謎に、冷血な女刑事マロリーが挑みます。第一幕で毎夜事件が発生するために観客はラストまで鑑賞できず、この演劇は一層注目を集めることに。しかも、謎の脚本家・ゴーストライターが芝居を勝手に書き換えているとの事。どうして芝居中に人が死んでいくのか?ゴーストライターの目的は何なのか?謎が謎を呼ぶ展開が見どころの作品です。

本シリーズの魅力は、主人公である女刑事マロリーの自由奔放な捜査と、彼女に振り回されながらもついていく仲間達の活躍であると個人的には思っていますが、本作でもこれらの魅力的な登場人物達の活躍を楽しむことができます。

一方で、500ページを超えるボリュームながら、劇場を中心に場面展開がほとんどなく淡々と進行しますので、読み手を選ぶ作品かと思います。個人的には本作は非常に読むのに時間がかかりました。翻訳は第1作からお馴染みの務台夏子さんが担当されているので、キャロルの文体自体が変わってきているのかなと感じます。特に海外ミステリーが苦手な方には合わないかもしれませんね。

第一幕で人が死んでしまう演劇の謎にマロリーが挑んだ本作。マロリーシリーズ未読の方でも本作から読んでいただく事は可能です。また、マロリーのキャラクターにも魅力を感じた方は、シリーズ1作目の「氷の天使」も是非チェックしてみてください。

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