個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2019年3月刊行、芦原すなお作「ハムレット殺人事件」をご紹介します。芦原すなおさんは、「青春デンデケデケデケ」第105回直木賞を受賞された直木賞作家ですね。
本作は大胆にもシェークスピアのハムレットを題材とした殺人事件です。まず一言断っておきますが、かなり変化球な作品でした。ハムレットの劇中と同様の状況で発生した殺人事件について、背後の人間関係や当時の登場人物達の心境を推理することで一つの結論を導くミステリーです。正直なところ、本格的なミステリー小説を期待してしまうとガッカリしてしまうと思います。
ズバリ、この作品は、
概要
演者同士の殺し合い、まるで『ハムレット』の見立て殺人!?直木賞作家が描く、シェイクスピア×ミステリ。夢の中で助けを求めてきた大女優のために私立探偵・山浦歩が挑む事件の謎。(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: C(謎自体は序盤ですぐ解けると思います)
文章構成: B(中盤少し冗長な展開が)
登場人物: B(どの登場人物もふざけています)
読みやすさ: C(中盤の古典紹介はどうしても書きたかったんだろうな)
再読したい度: C(むしろハムレットを読みたくなります)
ミステリーというよりはコミカルな会話を楽しむ作品です。
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感想
大女優・夏日薫が指揮を執る舞台『ハムレット』の最終リハーサルを前に、彼女を含む主要キャスト五人が死亡するという事件が発生します。学生時代、彼女に想いを寄せていた私立探偵・山浦歩は、夢で彼女から真相解明を依頼されたように感じ、同業者である探偵・笹野里子と共に謎の解明に挑みます。
山浦歩は、芦原すなおさんの過去作、「月夜の晩に火事がいて」の主人公であり、笹野里子は「雪のマズルカ」「猫とアリス」の主人公です。
本作はハムレットの劇と同様に起きた殺人事件を推理するんですが、彼らの人間関係を紐解くことによってどうして事件が起きてしまったのか解明することがメインであり、むしろ楽しむべきポイントは芦原節によるコミカルで軽妙な会話を楽しむ小説なんだと感じました。
芦原作品を未読の方は、独特な言い回しや軽妙な会話が好みに合うかどうかわからないため、まずは上述した「雪のマズルカ」をおススメ致します(こちらは短編ですし気軽に読めると思うので)。過去作を読んでいなくてももちろん楽しめますが、過去作を読んで本作の主人公二人のキャラが気に入った方が楽しむ小説ではないでしょうか。
今回はちょっとおススメ記事っぽくはなっていないですが、芦原節を楽しむことができる小説ではあるように感じましたので、軽快なテンポでのコミカルな会話で進行する物語を楽しみたい方にはおススメしたいと思います。