『火のないところに煙は/芦沢央』:良質の怪談系ミステリー♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は2018年芦沢央作、「火のないところに煙は」をご紹介します。2018年「週刊文春ミステリーベスト10」5位、2019年版「ミステリが読みたい!」7位を獲得された作品ですね。

 

本作は、怪談話を中心とした連作短編集ですが、その中にミステリーのエッセンスが入っていて、バランスの取れた良質怪談系ミステリーでした。

 

ズバリ、この作品は、

『良質怪談系ミステリーを楽しみたい』人向けです。

 

概要

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。一気読み不可避、寝不足必至!!読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ! (「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: A(続きの短編集ですが・・・)

文章構成: A(読みながら少しずつハマっていきます)

登場人物: B(つかみどころのないキャラクター達)

読みやすさ: S(1日でサッと読めます)

再読したい度: B(非常にバランスの良い階段系ミステリーでした)

おススメ指数 A
怪談話とミステリーが見事に融合していますね。

 

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感想

作家である主人公は「怪談」をテーマにした短編小説の依頼を受けます。自身が遭遇した不思議な体験を短編として発表した主人公は、その後も様々な人々の奇妙な体験を聞きながら短編としてまとめていきます。

 

本作が秀逸な点は、背筋がヒヤッとするような怖さを感じながら、良質な「謎」も追えることでしょう。本作の中心には怪奇現象が据えられているんですが、その中に論理性も一要素として加えられているのでミステリー好きにも楽しめる内容になっております。

 

一般的なホラー小説の中には、あからさまに読者を驚かせようとする設定や展開の作品が多く見受けられますが、本作品は淡々と進行していく中で、奥に潜む怖さが少しずつ表層に浮かんでくるようになっており、他のホラー小説とは異なった怖さがあるように感じました。

 

ホラーを前面に出したわけではないので、表現するとすれば「怪談系ミステリー」とでもいうべきでしょうか。他の作品では味わえない「不気味な怖さ」を感じることができますので、ご興味がありましたら是非ともチェックしてみてください。

 

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