『まるで天使のような/マーガレット・ミラー』:マーガレット・ミラー代表作の新訳版♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日はマーガレット・ミラー作「まるで天使のような」をご紹介します。本作はカナダ出身の推理作家であり、アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞も受賞した著者の代表作とも言われる作品です。

本作は、1962年刊行の作品で、一度ハヤカワミステリより日本語訳版が刊行されておりますが、2015年に創元推理文庫から生誕100周年を記念して新訳版が刊行されました。非常に滑らかな文章で読みやすく、軽妙な会話で進行する名作ミステリーを楽しむことができます。

ズバリ、この作品は、

『軽妙な会話で進行する心理ミステリーを楽しみたい』人向けです。

 

概要

山中で交通手段を無くした青年クインは、“塔”と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。そこで彼は一人の修道女に頼まれ、オゴーマンという人物を捜すことになる。だが彼は五年前、謎の死を遂げていた。平凡で善良な男に何が起きたのか。なぜ外界と隔絶した修道女が彼を捜すのか。私立探偵小説と心理ミステリをかつてない手法で繋ぎ、著者の最高傑作と称される名品が新訳で復活。(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: S(50年前の作品ですが決して色褪せない作品)

文章構成: S(この構成は見事だというしかないですね)

登場人物: A(クインと女性陣との軽妙な会話が楽しいです)

読みやすさ: A(新訳版は非常に滑らかな文章で読みやすい)

再読したい度: S(忘れた頃に再読したい作品)

おススメ指数 S
私はマーガレット・ミラーといえばコレが好き。

 

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感想

私立探偵・ジョー・クインは、ギャンブルで一文無しになった事をきっかけに、“塔”と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めます。そこでは、「大師」と呼ばれる人物を中心に、修道士・修道女と呼ばれる人達が自治を行っていました。クインは、「祝福の修道女」と呼ばれる女性から、チコーテという町の「オゴーマン」という人を探してほしいと依頼を受けます。

依頼を引き受けたクインはチコーテに向かいますが、オゴーマンは5年前に謎の死を遂げていたことを知ります。なぜ「祝福の修道女」はクインにオゴーマンの捜索を依頼したのか?事件に興味を持ったクインは、独自で事件の真相を探ります。

本作は50年以上も前に書かれた作品ではありますが、特に2015年刊行の新訳版は古さも感じさせず、非常に読みやすい作品となっております。クインを中心にユーモラスで軽妙な会話が終始展開されていくため、400ページありますが、飽きずに読み進めることができるでしょう。

また、本作では「大師」という教祖を中心とした宗教集団の存在が不気味な雰囲気を醸し出しています。ジョークを交えた軽妙な会話を得意とするクインとは対照的に描かれており、修道士・修道女達とクインとの駆け引きの面白さも、本作を楽しめるポイントです。

読み進めるほど事件の謎が深まっていく本作。ジワジワ来る心理ミステリーです。あまり詳しいことは言えないですがおススメです。もしご興味を持たれましたら、是非とも本作をご一読いただければと思います。

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