個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は、2018年、くろきすがや作 の「感染領域」をご紹介します。こちらの作品、第16回「このミステリーがすごい! 大賞」で”優秀賞“を受賞した作品です。植物学をテーマにした作品という事は聞いていたので、理系ミステリー好きとしては読むしかない!という事で読むことにしました。
タイトルからして、バイオハザード的な「大規模なパンデミックが発生するのかな?」と考えていたのですが、確かに発生はするものの、どちらかというと感染が発生した原因について植物学や分子生物学の視点から調査し、事件の真相を解明していく展開でした。そこにアクションや男女の恋仲も含まれているので、盛りだくさんで満足できる内容に仕上がっております。
専門的なお話が多いものの、説明が非常に丁寧で、且つ簡潔にまとめられているため、どなたでも気軽に楽しむことができる良作でした。
ズバリ、この作品は、
概要
九州でトマトが枯死する病気が流行し、帝都大学の植物病理学者・安藤仁は農林水産省に請われ現地調査を開始した。安藤は、発見した謎のウイルスの分析を天才バイオハッカー「モモちゃん」の協力で進めるが、そんな折、トマト製品の製造販売会社の研究所に勤める旧友が変死。彼は熟さず腐りもしない新種のトマト“kagla(カグラ)”を研究していたが…。弩級のバイオサスペンス、登場!(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: B(バイオサスペンスという印象)
文章構成: B(オーソドックスな展開でした)
登場人物: B(登場人物のキャラ設定がしっかりしています)
読みやすさ: A(説明が非常に丁寧)
再読したい度: A(植物学の勉強になりました)
面白いだけでなく勉強にもなる作品でした。
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感想
トマトが枯死する病気が広がっていく中で、主人公は感染を阻止するべく調査を行っていきますが、調査を進める上で背後に大きな陰謀が潜んでいることが次第に明らかとなっていきます。
本作の主なパンデミック被害者はヒトではありません。トマトです。(笑)
トマトが嫌いな方は「ざまあみろ!」と楽しみながら読めるかもしれません。
本作品はあのカゴメ株式会社さんが協力しているということで、トマトや植物学についても大変勉強になると同時に、知識もついてなにか得した気分にもなります。
また、植物に関する調査・検証についても非常にリアルに描かれておりますので、現実に事件が発生したらどうなるんだろう、というノンフィクション視点からも楽しむことができました。
アカデミックなお話だけでなく、事件あり、アクションあり、パンデミックあり、と盛りだくさんの内容をうまくまとめた作品ですので、もしご興味あれば手に取ってみてはいかがでしょうか。