個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2017年11月刊行、倉知淳の「皇帝と拳銃と」です。この作品全て倒述ミステリーです。倒述ミステリーとはあらかじめ犯人が読者に提示されており、刑事や探偵が追い詰めていくものを言います。
倒述ミステリーで重要なのは、“追い詰める側”の人間がいかに魅力的か?という事だと個人的には思います。私が好きだったのが古畑任三郎。独特の言い回しや皮肉で犯人を徐々に追い詰めていくスタイルが好きでした。後はコロンボが有名ですね。
そしては本作はどうか。
死神でした。笑
いや、”死神のような”刑事でした。
この”死神”が犯人を追い詰めていく展開に犯人が哀れに思えてきます。しかも短編4編からなりますので4回楽しめるという豪華さ。
ズバリ、この作品は、
追い詰められたい方、おススメです。
概要
〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ警察官探偵、登場。著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、全4編収録。私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。あの男が現れるまでは。著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、全4編を収録。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ警察官が、またひとり誕生する。
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: B(結構トリックはシンプルです)
文章構成: S(倒述ミステリーとしては良質)
登場人物: S(”死神”の乙姫警部は怖いです・・・)
読みやすさ: A(複数視点ですが、とても読みやすいです)
再読したい度: B(乙姫警部にはまた会いたくなります)
倒述ミステリーの長所をうまく活用した素晴らしい作品。
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感想
この作品、短編4編とも複数視点から登場人物が描かれているのですが、皆口を揃えて「死神が来た・・・」というので笑えてきます。この死神がまた”いやらしい”質問などをしてくるので犯人からしたら気が気じゃないでしょう。「そういえば古畑任三郎もいやらしかったな~」、と思い出しながら楽しく読み進めていきました。
古畑任三郎好きであれば気に入るのではないでしょうか。
倒述ミステリーですので余計な小細工がなく直球勝負です。それでも面白い。こういう”じわじわ系”もやっぱりいいな~、と改めて感じました。
ちなみに、作者の倉知淳さん、個人的に好きな作家さんです。
特に「星降り山荘の殺人」は本ブログでも面白おかしく(?)ご紹介しておりますので是非チェックしてみてください。