『わが母なるロージー/ピエール・ルメートル』:カミーユシリーズ待望の新作

個人的こんな方におススメ♬

 

こんにちは、RKOです。本日は、2019年刊行、ピエール・ルメートル作「わが母なるロージー」をご紹介します。本作は、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの番外編であり、中編作品です。

 

カミーユ警部が登場するカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズは、「悲しみのイレーヌ」、「その女アレックス」、「傷だらけのカミーユ」の3部作から成り、日本でも近年のフランスミステリーを代表するシリーズとして評価を得ました。特に2作目の「その女アレックス」は、日本のミステリ賞でも1位をほぼ独占した衝撃ミステリーでした。

 

本作は、本シリーズの番外編とした位置づけで、序文で作者のピエール・ルメートル自身も「三冊半」と述べており、カミーユシリーズのファンに贈る、もう一度彼らに会う事ができる作者からのプレゼントのような作品です。

 

シリーズ未読の方は、是非とも第1作の「悲しみのイレーヌ」からお試しいただければと思います。ただ、1点ご注意いただきたいのは、本シリーズは残酷描写が非常に多い事です。苦手な方はご注意ください。

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ズバリ、この作品は、

『カミーユ警部シリーズのファン』向けです。

 

概要

 

パリで爆破事件が発生した。直後、警察に出頭した青年は、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金を要求する。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は、青年の真の狙いは他にあるとにらむが…。『その女アレックス』のカミーユ警部が一度だけの帰還を果たす。残酷にして意外、壮絶にして美しき終幕まで一気読み必至。(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

 

謎の素晴らしさ: B(中編だとやっぱり物足りなく感じますね)

文章構成: B(何とも言えない余韻が感じられます)

登場人物: A(独特の雰囲気を持つ登場人物達が再登場)

読みやすさ: B(本作は残酷描写はそこまで無いですね)

再読したい度: B(もう彼らに会えないと思うと寂しいですね)

おススメ指数 B

一気読み必至の作品です。カミーユシリーズファンのオマケ的作品ですね。

 

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感想

 

パリで発生した爆発事件。調査を開始したカミーユ・ヴェルーヴェン警部の元に、一人の青年が姿をあらわします。彼の名はジャン・ガルニエ。ジャンは爆弾をあと6個仕掛けたとカミーユに告げます。彼の目的は500万ユーロを得てオーストラリアへ移住する事。本当にジャンの目的は海外への移住だけなのか?なぜ自ら出頭してきのか?不審に思ったカミーユは、この爆発事件の裏に潜む真実を追い求めます。

 

フランス本国では、3部作2作目の「その女アレックス」の後に刊行されており、時系列としても「その女アレックス」と3作目の「傷だらけのカミーユ」の間に起きた物語です。これから読まれる方は、1作目「悲しみのイレーヌ」から、時系列通りに読むと良いかもしれませんね。ただ本作は中編ですし、番外編としての位置づけですので、三部作を読み終わってからでも問題ありません。

 

本シリーズ1作目において、「脳がざわざわするミステリー」と解説で杉江松恋さんが述べられていましたが、本作ではカミーユ警部もどちらかというと冷静に行動を起こしており、生理的な嫌悪感が感じられる他作品とは異なってどこかドライな印象を受けました。しかしながら、ミステリーとしては非常にうまくまとまっており、中編ながらも読んで満足できました。何よりカミーユやルイといった個性豊かな登場人物が登場するだけでファンとしては嬉しい限りですね。

 

カミーユ警部シリーズの番外編として位置づけられた本作。本シリーズ未読の方は、是非とも第1作の「悲しみのイレーヌ」からチェックしてみてください。念押しですが、本シリーズは残酷描写が多いため苦手な方はご注意ください。

 

 

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