個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は、早坂吝作、「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」をご紹介します。本作は、第50回メフィスト賞受賞作です。メフィスト賞受賞作は、「すべてがFになる」や「ハサミ男」など、これまでも本ブログにてご紹介しましたが、この作品は上記の受賞作品とは方向性が異なる作品です。
まず、冒頭からいきなりの「読者への挑戦状」。これがまた特殊で、「本作のタイトルを推理せよ」というもの。「タイトル当て」をテーマとした作品というのは珍しいですね。タイトルが何か常に考えながら読み進めることになるため、これまでのミステリーの趣旨とは異なる部分で楽しむことができます。
ただし、メフィスト賞受賞作だけあって、中身は孤島でのクローズドサークル・密室事件などミステリーのオイシイ要素が詰め込まれた案外ちゃんとした作品。(笑) 本作は恐らく読み手によって全く評価が異なる作品だと思いますが、私自身は純粋に楽しめましたので本ブログにてご紹介したいと思います。
ズバリ、この作品は、
概要
アウトドアが趣味の公務員・沖らは、フリーライター・成瀬のブログで知り合い、仮面の男・黒沼が所有する孤島で毎年オフ会を行っていた。沖は、今年こそ大学院生・渚と両想いになりたいと思っていたが、成瀬が若い恋人を勝手に連れてくるなど波乱の予感。孤島に着いた翌朝、参加者の二人が失踪、続いて殺人事件が!さらには意図不明の密室が連続し…。果たして犯人は?そしてこの作品のタイトルとは?(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: B(案外しっかりしたトリックと伏線)
文章構成: S(なるほど、これがやりたかったのね)
登場人物: S(南国モードの主人公を堪能してください(笑))
読みやすさ: A(かなり文章が軽く、気軽に読める作品)
再読したい度: A(もう一回初めから読みたくなります)
バカミスなのかバカミスじゃないのか良く分からない作品。いや、バカミスか。(笑)
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感想
本作は、アウトドアが趣味の主人公・沖くんが、ブログで知り合った仲間達とのオフ会で事件に遭遇します。小笠原の孤島に閉じ込められた主人公達の身の回りに起こる不審な事件。ミステリー好きの沖くんは、事件の真相を探るために自ら行動していきます。こういう説明をすると、普通の本格ミステリーっぽいですが・・・。結果、想像の斜め上を行く異色作でした。
事件自体は、孤島でのクローズドサークル・仮面の男・不可解な密室事件などミステリー好きが好むであろう様々な条件をミックスしており、作者さんのミステリー愛は伝わってきました。結構伏線もしっかり張られており、メフィスト賞だけあってその辺りはしっかりおさえています。
また、本作のオモシロポイントですが、おとなしかった主人公・沖くんが、孤島に着いた途端、「南国モード」となって性格が180度変わってしまうところには笑えます。オフ会参加者の女子高生・らいちについて、それまでは「らいち」だったのが、孤島に着いた途端「ビッチ」って。(笑) 心の中の声なんで直接は言ってないですが、流石に性格変わりすぎでしょ・・・。言い忘れましたが下品な作品が苦手な方は決して読むべきではありません。
本作は、他のミステリー小説とは(いろんな意味で)一線を画す作品であることは間違いありません。ただ、決して万人受けする作品ではないですので、「自分は許容範囲が広い・心が穏やかだ・何があっても本を投げない」、という方にはおススメしたいと思います。(笑)