『名探偵は嘘をつかない / 阿津川辰海』:超特殊設定のミステリ愛溢れる作品♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は 阿津川辰海2017年デビュー作、「名探偵は嘘をつかない」をご紹介したいと思います。

光文社のミステリー作家発掘プロジェクト「KAPPA-TWO」の入賞作品ということで、特に前情報なく読み始めました。また、2018年版本格ミステリー第3位の作品でもあります。

読んでみてびっくり、

転生あり・幽霊ありの

“探偵弾劾裁判”という超特殊設定の(法廷)ミステリーでした。

でも中身は超ロジカルな本格ミステリーだから面白い。

上述したファンタジー要素がしっかり推理要素に組み込まれているので、独自性も高く非常に洗練された作品でした。

ズバリ、この作品は、

『通常とは異なる新感覚ミステリーを求めている』人向けです。

 

概要

名探偵・阿久津透。その性格、傲岸不遜にして冷酷非情。妥協を許さず、徹底的に犯人を追い詰める。しかし、重大な疑惑が持ちあがった。それは、彼が証拠を捏造し、自らの犯罪を隠蔽したというものだった―Kappa‐Two応募当時、弱冠20歳。新しい才能は、本格ミステリにどう挑んだのか。ミステリファン必読のデビュー作!

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: S(発見現場の謎には驚嘆)

文章構成: A(終盤の裁判パートは本当に面白い)

登場人物: B(転生者という発想は素晴らしいですね)

読みやすさ: A(裁判中の議論とライトな会話の緊張と緩和がお見事)

再読したい度: A(ボリュームが凄くてお腹いっぱい)

おススメ指数 A
作者のミステリー愛が感じられるステキな作品でした

 

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感想

この作品、一言で表すのが大変難しい作品でした。

あえて表現するならば、「逆転裁判風・ファンタジー系・本格ミステリー」とでもいいましょうか。

名探偵・阿久津透が、複数の事件で証拠の捏造等の探偵職務違反をした容疑で罷免裁判にかけられます。阿久津の探偵助手・火村つかさは、ある事件で犯人を追い詰めるために兄を見殺しにされた事がわかり、この罷免裁判に参加し復讐を誓います。一方、つかさの兄・火村明は、あるきっかけで転生することになり別の人物として妹の復讐を阻止しようとします。弾劾裁判を進める内に、これまでの阿久津が関わった事件の真相が明らかとなっていきます。

最初は少し読みづらくて中々読み進めることができませんでしたが、中盤から終盤にかけての探偵弾劾裁判のパートは非常に面白く、読み進めると序盤のパートが伏線となって話に深みを感じるようになります。

登場人物たちの事件にかけるそれぞれの想いが伝わってきました。

また、タイトルが「斜め屋敷の犯罪」、「生ける屍の死」、「災厄の町」といった過去の名作ミステリーの引用であるなど、作中の至るところで作者のミステリー愛を感じました。ボリュームがあり色々な要素を詰め込んだ感はありますが、読みながらニヤッとする箇所も多く、楽しく読むことができました。

超特殊設定でボリュームのある作品ですが、ミステリー好きにはおススメできる作品です。もしご興味があれば是非ともご一読ください。

 

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