『マーダーハウス/五十嵐貴久』:皆様のご入居、お待ちしております

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は2019年3月刊行、五十嵐貴久作「マーダーハウス」をご紹介します。本作はシェアハウスを舞台とした戦慄のサイコサスペンスです。

 

シェアハウスと言えば、テラスハウスが有名ではないでしょうか。美男美女が集められて華やかな共同生活をおくりながら、やがて恋が芽生えて・・・という羨ましい展開が起きるんですよね?(すいません、実は観たことありません)

 

 

しかし、これは五十嵐貴久作品。そんな美しい展開になるはずはありませんでした。むしろ、五十嵐さんはシェアハウスに何か恨みがあるんじゃないか、と思わずにはいられない戦慄のサスペンス作品に仕上がっておりました。

 

ズバリ、この作品は、

『人の怖さを感じられるサイコサスペンス系が好きな』人向けです。

 

概要

希望の大学に合格し、引っ越し先を探していた藤崎理佐は、ネットで偶然シェアハウス「サニーハウス鎌倉」を見つけ、暮らすことになる。そこは海外セレブの別荘のように豪華な外見、充実した設備、格安の家賃と好条件ばかり。しかも同居するのはテレビの某番組に出てきそうな美男美女だった。憧れの地で楽しい日々を送っていたが、同居人が立て続けに死亡する。不安を抱いた理佐は高校時代の同級生、高瀬弘に相談する。違和感を覚えた弘はサニーハウスを調べることにするが、そこから恐怖は一気に加速していく!予想外の結末、震撼のサイコミステリー!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: B(伏線が丁寧な分、わかりやすいかも)

文章構成: B(プロローグが怖かった・・・)

登場人物: B(シェアハウスって難しいんだね)

読みやすさ: A(先が気になってしまう展開は◎)

再読したい度: B(また来年の夏に読みたくなるかも)

おススメ指数 B
序盤の静かな展開が逆に緊迫感を高めていました。

 

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感想

鎌倉の地に佇む南フランス風洋館のシェアハウス・「サニーサイド鎌倉」。丘の上の一軒家でバス停からは離れているものの、鎌倉という立地で家賃4万5000円という好物件。大学進学のため新潟から上京した藤崎理沙はネットでみつけた物件に一抹の不安を覚えながら入居しますが、そこに住むのはテレビ番組のような美男美女が入居する理想のシェアハウスでした。しかしながら、同居人の一人の死をきっかけにして、少しずつこのシェアハウスの奥に潜む恐怖が姿を見せることに・・・。

 

マーダーハウス」というタイトルから、シリアスキラー系、スプラッター系をイメージされるかと思いますが、序盤から中盤にかけて、意外にも「のどかな展開」が続きます。というかむしろ途中までシェアハウスの光と影が主人公を通して伝えられるため、「自分はシェアハウスは住めないタイプだな~」とかミステリーを忘れて考えさせられました。しかし、この静かな進行が逆に怖さを強調する事になっています。中々ギアを上げない進行に戸惑いは覚えましたが、終盤はそれまで溜め込んでいたものを吐き出すように盛り上がりを見せます。

 

また、本作は人の内なる怖さを感じられる作品でした。人の内面は中々他人には理解できないですが、これをシェアハウスという共同生活の場を舞台にする事で非常にうまく表現されていますね。お皿を洗わない、ゴミを捨てないなど、些細な事から人の関係性は断たれていきます。これが常時顔を合わせる関係であれば尚更難しいのでしょうね。(勿論作品中にはシェアハウスの良さも描かれています)

 

主人公に少しずつ迫る恐怖をシェアハウスを舞台として描いた作品です。果たしてこのシェアハウスにはどういった恐怖が潜んでいるのか?ご興味を持たれた方は本作をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

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