『育休刑事/似鳥鶏』:父親、ときどき刑事の本格ミステリー

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は2019年刊行、似鳥鶏作「育休刑事」をご紹介します。人気若手作家・似鳥鶏さんの最新作は、育休を取った男性刑事が赤ちゃんと共に事件を解決する本格ミステリーです。

本作は「男性の育児×刑事」という新しい題材をテーマとした作品。お子さんがお生まれになった事がきっかけだそうで、男性の育児視点が積極的に取り入れられつつ、その設定を見事に活用した良質のミステリーが展開されております。

ズバリ、この作品は、

『新しい視点のミステリーを楽しみたい』人向けです。

 

概要

県警本部捜査一課・秋月春風巡査部長。生後三ヶ月になる息子・蓮くんのため、男性刑事としては初の“育休”に挑戦中。それでも事件は待ってくれなくて―。お人よしの刑事と動じない見習いは難事件を解決できるのか!?前代未聞、予測不能の本格ミステリ!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: A(謎も手抜きなくしっかり練られています)

文章構成: S(終盤の展開は読めるんだけどもそれでも面白い)

登場人物: S(似鳥作品はキャラが生き生きしてて良いですね)

読みやすさ: A(いつも通り注釈に気合いが入っています)

再読したい度: S(次回作も期待したい内容でした)

おススメ指数 S
展開は読めるんだけど面白く読ませてしまう良作ミステリーでした。

 

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感想

本作は、育児休暇を取って育児に専念している捜査一課刑事・秋月春風が、生後間もない息子・蓮くんと共に事件に遭遇し、育児経験からヒントを得て事件を解決していくお話です。3つの中編を収録した連作中編集ですが、お話が進行するにつれて、赤ちゃんの蓮くんも成長していくので、蓮くんの成長を見守りながら本格ミステリーも楽しめるように設定されています。

育児という設定がしっかりと設定の中で取り入れられており、育児を行う男性ならではの視点で事件を解決していくという趣向を凝らした作品ですね。赤ちゃんと長時間接しているお父さん・お母さんの視点から描かれていて、作者・似鳥さんが実際に体験したお話も含まれているのかな~、と想像しながら楽しく読ませていただきました。

また、似鳥作品には恒例の「あとがき」。いや~、本作は特にひどかった (笑:褒め言葉です)。あとがきを読むだけでも、作者さんは人を楽しませる天才だなと感じずにはいられません。もはや本編にもなっている「あとがき」含めて、是非とも実際に手に取って本作の魅力を堪能していただければと思います。

設定が面白く、育児の勉強になると共にミステリーとしても楽しめる貴重な作品です。もし興味を持たれましたら是非とも本作をチェックされてはいかがでしょうか。

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