『或るエジプト十字架の謎/柄刀一』:エラリー・クイーン「国名シリーズ」の良質オマージュ作品♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちはRKOです。本日は2019年5月刊行、柄刀一作「或るエジプト十字架の謎」をご紹介します。本作は表題作「或るエジプト十字架の謎」と他3作、「或るローマ帽子の謎」・「或るフランス白粉の謎」・「或るオランダ靴の謎」を含む連作短編集になります。

タイトルからピンと来た方も多いかと思います。本作は、エラリー・クイーンの『国名シリーズ』である、以下の作品を題材としたオマージュ作品です。

第1作:「ローマ帽子の秘密」

第2作:「フランス白粉の秘密」

第3作:「オランダ靴の秘密」

第5作:「エジプト十字架の秘密」

こちらを未読の方は、古典ミステリーの名作である本シリーズも是非チェックしてみてください。

※第4作:『ギリシャ棺の秘密』を題材としたお話は含まれておりません。

<参考>エラリー・クイーン国名シリーズ

 第1作:「ローマ帽子の秘密」

第2作:「フランス白粉の秘密」

第3作:「オランダ靴の秘密」

第5作:「エジプト十字架の秘密」

本作は、エラリー・クイーンの国名シリーズタイトルを題材としながらも、日本国内を舞台とした全く別の作品となっております。ゆえに、エラリー・クイーンの作品を読んでいてもいなくても楽しめる作品となっております。トリックも練られており、良質の本格ミステリー作品として完成度の高い作品に感じました。

ズバリ、この作品は、

『綿密に練られたロジックミステリーを楽しみたい』人向けです。

 

概要

トランクルームの密室。白い粉が舞い散る殺人現場。足跡なき泥濘の逃亡者。案内板に磔にされた首のない死体―。南美希風が、奇跡を偽装した不可能犯罪の数々に挑む!世界法医学交流シンポジウムのために来日したアメリカ人法医学者エリザベス・キッドリッジ。美希風にとって、彼女は恩人の娘にあたる。法医学のための実地検分として、謎めいた事件現場に赴くエリザベスと、ガイド役として付き添う美希風は、神の悪戯としか思えない不可能犯罪を解明できるのか!? (「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: A(題材をしっかり活用したミステリーを展開します)

文章構成: A(ワイダニットが4編とも非常に魅力的でした)

登場人物: B(シリーズ初読のためか、主人公のキャラがあまり掴めず・・)

読みやすさ: C(理由は良くわかりませんが読みづらい印象を受けました)

再読したい度: A(純粋にミステリーとして面白いです)

おススメ指数 A
国名シリーズにヒントを得た、良質本格ミステリーでした。

 

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感想

本作は、柄刀一さんの「南美希風シリーズ」続編として、エラリー・クイーン国名シリーズを題材とした4編のミステリーが収録されています。中身は王道の本格ミステリーで、各話それぞれ、事件解決の際に重要な要素(ローマ帽子・フランス白粉・オランダ靴・エジプト十字架)として使用されています。

<参考>南美希風シリーズ(第1作)

なお、エラリー・クイーンの原作を既読の方もトリック自体はオリジナルですので、純粋にミステリーを楽しめますし、本作のテーマである各要素がトリックにどう関わっていくのか推理しながら読み進めることができます。

特に、ワイダニット(なぜそうなったのか?)が非常に練られていると感じました。例えば、「或るエジプト十字架の謎」では、原作と同様に頭部を切断され、T字型で磔にされた死体が登場します。なぜこのような状態で死体が発見されたのか? その他の作品も国名シリーズを題材とした良質のワイダニットが一つの大きなテーマとなっております。

トリックミステリの名手・柄刀一さんが国名シリーズに挑んだ本作。連作短編集として少ないボリュームながらも4編とも非常に完成度の高いお話でした。本家の国名シリーズは6作目以降もありますので、次作にも期待したいところです。もし興味を持たれましたら、是非とも本作をチェックしていただければと思います。

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