個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は倉知淳作の猫丸先輩シリーズ第1弾、「日曜の夜は出たくない」をご紹介します。本作は1994年に刊行された倉知淳さんのデビュー作ですが、2019年1月に新装版が発売されております。
倉知淳さんの作品は本ブログでも数作品についてご紹介しております。特に、「星降り山荘の殺人」は、各章の始めに”作者からの注釈“が入っているという、非常に挑戦的な試みのミステリーでした。未読の方はこちらも是非チェックしてみてください。
本作は記念すべき猫丸先輩のデビュー作。猫丸先輩は、作中で様々なタイミングで登場する神出鬼没の名探偵です。猫丸先輩がどのタイミングで登場するのかも本作を楽しむポイントの一つです。まだ出てきてないな~、と思っていたら「ここから来たか!」という場面で登場したりしますので、決して油断ができません。
ちなみに、猫丸先輩は、”仔猫みたいなまん丸い目をした小男“ですので、猫ではありませんし、表紙のようなウサギ型人間は本作には登場しません。(笑)
ズバリ、この作品は、
概要
「だいたいお前さん達は想像力ってもんが足りなさすぎるよ、新聞や雑誌にひょいひょい乗せられて、やれ空飛ぶ人だ空中散歩者だってはしゃいでるんだから―もう少し頭使って自分の考えで物を云いなさいよ」そう言い放ったこの、仔猫みたいなまん丸い目をした小男こそ、名探偵猫丸先輩その人である。コミカルな筆致とロジカルな推理で読者を魅了する倉知淳の本格的なデビュー作。(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: A(粒ぞろいの謎を集めた短編集)
文章構成: A(短編集なんですが・・・)
登場人物: S(時折見せる猫丸先輩の優しさに癒される)
読みやすさ: A(非常にシンプルで読みやすいです)
再読したい度: S(猫丸先輩シリーズはどの作品も安定して面白いです)
愛すべき猫丸先輩との出会いに感謝。
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感想
本作は、猫丸先輩を中心に落語のような愉快な会話で進行します。猫丸先輩は、人の話に口を出したがるお節介な変人なんですが、色々な仕事をこなす多才さや、時折見せる優しさも持ち合わせており、謎の真相に迫る名探偵として非常に魅力的なキャラクターであると思います。
しかもシンプルながら短編全ての謎も魅力的です。怪談話もあり、少し切ない話もあり、なぜか”寄生虫博物館”での事件もあり、バラエティに富んだ謎を様々な形で料理する猫丸先輩を楽しむことができます。
各話、猫丸先輩の登場だけで嬉しくなる連作短編集。未読の方は、是非とも第1弾である本作から読んでいただきたいと思います。気軽に良質なミステリーを堪能できる本作、それでも迷っている方には猫丸先輩の以下のお言葉をお送りします。(笑)
猫丸先輩:「あーっじれったいっ、何をごちゃごちゃ云っとるんだよ、お前さん達はっ」