個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2017年刊行の松尾由美作「ニャン氏の事件簿」です。この本を読んだきっかけは、なんたって表紙が可愛らしいことです。猫が出るんだろうな~、事件簿っていうタイトルだし創元推理文庫だからミステリーだろうな~、という軽い感じで読んでみることにしました。これがなかなかの名作でしたのでご紹介したいと思います。
この作品、”癒し”と”本格ミステリー”を一度に体験できる不思議な作品でした。
「ネコと和解すれば、遠回りをする必要もない。」訳:丸山(秘書)
アロイシャス・ニャン(実業家兼童話作家)
ズバリ、この作品は、
概要
アルバイトをしながら、自分を見つめ直している佐多くんは、あるお屋敷で、突然やってきた一匹の猫とその秘書だという男に出会う。実業家のA・ニャンと紹介されたその猫が、過去に屋敷で起こった変死事件を解き明かす?!って、ニャーニャー鳴くのを通訳しているようだが本当?次々と不思議な出来事とニャン氏に出くわす青年の姿を描いた連作ミステリ。文庫オリジナルだニャ。(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: A(本格猫ミステリです)
文章構成: A(ニャン氏と佐多くんの関係はどうなる?)
登場人物: S(「ニャニャ、ニャーニャ」(謎は解けた、とニャン様はおっしゃっています))
読みやすさ: S(ネコ語はわかりませんがとても読みやすいです)
再読したい度: A(推理と癒しを同時に提供)
中身はしっかりとしたミステリーなのが逆に笑えてきます
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感想
ニャン氏「ニャニャ、ニャーニャ」
丸山「謎は解けた、とニャン様はおっしゃっています」
この作品の秀逸な点は、猫目線で推理が展開されることでしょう。
猫だからこそわかる視点で実業家兼童話作家の猫、ニャン氏が推理を展開していきます。
といっても、ニャン氏の見た目は至って普通の猫です。日本語を話すわけでもありません。そのため、秘書でスーツ姿の丸山がニャン氏の鳴き声を通訳してくれるのです。
途中から、ニャン氏の言葉なのか、丸山自身の言葉なのかわかりにくいというクレームを受け、ニャン氏の言葉には語尾に「ニャン」をつけることに。これがまたシュール。
「運が良ければ見つかるかもしれないニャ」
丸山の重々しい声が言う。
ミステリーとしてもしっかりしていますので、猫が好きでミステリーも好きという方は満足していただけるのではないでしょうか。是非ともおススメしたい1冊です。