『私のイサベル/エリーサベト・ノウレベック』:最後の最後まで楽しめるサイコサスペンス

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日はエリーサベト・ノウレベック作「私のイサベル」をご紹介します。スウェーデン・ストックホルムを舞台にしたサイコサスペンスです。

 

「私のイサベル」という非常にシンプルなタイトルの裏には、450ページを超えるボリュームで描かれる究極の心理サスペンスが潜んでいました。淡々とした描写の中で、登場人物達が精神的に追い詰められていく様を非常に高い緊迫感を持って描いています。

 

ズバリ、この作品は、

『ジワジワ来るサイコサスペンス物に興味がある』人向けです。

 

概要

1994年夏、海辺のリゾート地で1歳の女の子が行方不明になった。母親のステラは悲しみを乗り越え、心理カウンセラーとして忙しく働いていた。そんな彼女の日常は、ある人物がクリニックを訪ねてきたことで崩壊する。イサベルと名乗るその大学生を一目見て、20年前に行方不明になった娘であると確信したのだ。夫や友人は誰も、娘が生きていたというステラの主張を信じようとしない。イサベルの正体を探るため、過去を調べはじめるステラ。やがて彼女は恐ろしい真相に出会う…母娘の絆をめぐる戦慄のサスペンス!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: B(私のイサベルというタイトルが重い)

文章構成: B(中盤辺りからジワジワ面白くなります)

登場人物: B(子を持つ女性は強いですね)

読みやすさ: A(シンプルな文体と北欧の自然描写がマッチしています)

再読したい度: B(サイコサスペンス物好きにはおススメ)

おススメ指数 B
ジワジワ来るサイコサスペンス。狂気は内に秘めている。

 

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感想

心理カウンセラーをしているステラは、知人の紹介で「イサベル」という名の大学生のカウンセリングをする事になります。イサベルを一目見た瞬間、20年前に行方不明になった自身の娘・アリスであるとステラは確信します。

 

現在の夫・ヘンリックや、アリスの父であり行方不明になった後別れたダニエルら周囲の関係者に説明するも誰も信じてくれない中、ステラは独自でイサベルの周囲を探るようになります。果たしてイサベルは「誰のイサベル」なのか? 戦慄の真相が待ち受けていました。

 

本作は、心理カウンセラーのステラ、イサベルを中心に淡々と進行していきます。序盤は結構ダラダラした展開だなと思いつつ読み進めていくのですが、中盤からジワジワ来ます。また、ステラやイサベル達女性キャラクターの心理状況の変化が非常にうまく描かれていると感じました。ステラの「母としてのアリスに対する愛情の深さが暴走していく様」は特に丁寧に描かれています。登場人物達が少しずつ壊れていき、精神的に追い詰められていく姿からは、ホラー作品のような怖さも感じてしまいます。

 

そして、最後までどう転ぶのかわからない展開と予想のつかないラスト。誰が正しく、誰が嘘をついているのか。最後まで目が離せない作品です。序盤はじっくり時間をかけて進行するボリューム感のある作品ですが、「かなり荒れるサイコサスペンス物」に興味がある方は、是非とも本作をチェックされてはいかがでしょうか。

 

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