個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は乙一さんの短編傑作集、「さみしさの周波数」のご紹介をします。本編には4つの短編が含まれています。
未来予報:未来が読めるという友人に、「女友達と将来結婚する、しない場合は彼女は死ぬ」と言われ、二人は気まずくなって・・・
手を握る泥棒の話:時計職人である主人公が資金が必要になり、家の外から叔母のバックを掴んだはずが誰かの腕を掴んでしまい・・・
フィルムの中の少女:映画研究会の僕がたまたま見つけたフィルムには少女が写っていた、その少女が気になった僕はもう一度同じフィルムを再生すると・・・
失はれた物語:交通事故で右腕の感覚しかなくなった主人公が腕を通じて妻と会話をすることに・・・
この短編集、外れがなく、全ての作品が秀逸なできに仕上がっています。
ズバリ、この作品は、
概要
「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった…“未来予報”。ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう“手を握る泥棒の物語”。他2篇を収録した、短編の名手・乙一の傑作集。
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: B(短編全てで”乙一ワールド”全開)
文章構成: B(シンプルで物語に入りやすい構成)
登場人物: A(普通にいそうな人々を描くことで親近感を感じる)
読みやすさ: A(いつもながら非常に読みやすい)
再読したい度: B(一つ一つが短いので読み返せる)
現実でもありそうな不思議な世界感を見事に演出しています。
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感想
ご紹介したとおり、全ての作品が秀逸です。乙一さんの作品は、普通に自分が体験しそうな雰囲気を醸し出すところが良いんですよね。自分が同じ境遇になったときどうしようと考えてしまいますね。この作品を読んだときに、周囲に感謝の気持ちを伝えておかないといけないな、と何故か感じました。笑
人は決して一人では生きていけないし、周囲に影響を与えながら生きている。そういったことを想起させる”人とのつながりの短編集“のようなことを思いました。
全て良作ですので是非とも初期乙一作品を感じてほしいと思います。