『さよならは明日の約束/西澤保彦』:エミール&ユッキーが謎を解く連作短編青春ミステリー♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は、西澤保彦作「さよならは明日の約束」をご紹介します。

西澤保彦さんといえば、SF設定を元にルールを定義し、そのルールに則った新感覚の本格ミステリーを数多く発表されているイメージが個人的にはあります。

タイムループを経験してしまう少年が、何回繰り返しても死んでしまう祖父を何とかして助けようとする「7回死んだ男」や。人格がどんどん入れ替わっていく中で殺人が起きる「人格転移の殺人」は、SF設定をしっかりと事前に定義した上で本格ミステリーを展開した素晴らしい作品でした。

 

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一方、本作は非常に素直で、且つ、爽やかな青春ミステリーです。

本好き高校生の日柳永美(エミール)とSF・ホラー映画マニアの男子高校生柚木崎渓(ユッキー)が、第三者から伝え聞いた日常の謎を安楽椅子探偵形式で解決していく連作短編集ですね。

ズバリ、この作品は、

『日常の謎を解く安楽椅子探偵物が好きな』人向けです。

 

概要

祖母の蔵書に挟まっていた一通の手紙。宛名はヒッチコック。差出人は祖母の旧姓だが、心当たりはない。誰が何のために挟んだ手紙なのか。開けて読んでみると、祖母のかつてのルームメイトからのメッセージで…。(「恋文」)大食い・本好き美少女エミールと、ジャンク映画フリーク男子のユキサキが、解かれないままになっていた謎を読み解いていく!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: B(西澤さんの過去作のお話もあり楽しめます)

文章構成: A(4編それぞれ魅力的な謎を堪能できました)

登場人物: B(二人の微妙な距離感が良いですね)

読みやすさ: B(エミールの本知識とユッキーの映画知識にたまについていけなくなります(笑)

再読したい度: B(エミールとユッキーの関係はどうなるの?)

おススメ指数 B
エミールとユッキーの何気ない会話から謎を解明していくスタイルが気に入りました。

 

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感想

本作は、B級SF・ホラー映画マニアの男子高校生・ユッキーが、想いを寄せる相手である女子高生・エミールと共に謎を推理する青春ミステリーです。本作がユニークなところは、高校生の青春ミステリーにも関わらず安楽椅子探偵スタイルの為、人公達が案外動かないところですね。(笑)

基本的には、周囲から伝え聞いた日常の謎について、自分達の論理的思考と博学知識で何故そうしたのかを正解までたどり着くというスタイルなんです。青春物だと主人公達があくせく動きまわるイメージですが、彼らは本に囲まれたカフェ「ブック・ステアリング」で議論しながら真相の究明を目指します。

それだけに謎の魅力度が作品の良し悪しに影響しますが、4つのお話に登場する謎すべてがどれも魅力的に感じました。

例えば、一話目の恋文では、エミールの祖母宅での書庫にて、本に挟まれた映画監督・ヒッチコック宛の封筒が発見されます。差出人名は何故か祖母の名が。さらに封筒の中身は、「もし私が不審死を遂げたら、犯人はどちらかの男です」とかつてのルームメイトからの手紙が入っておりました。このヒッチコック宛の封筒が何故書かれ、祖母の本棚の本に挟まれていたのか、エミールは推理することになります。

西澤保彦さんの王道青春ミステリー。第2作も2019年に発売されましたので次回ご紹介したいと思います。日常系ミステリーが好きな方、また、安楽椅子探偵物が好きな方は是非ともチェックされてはいかがでしょうか。

 

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