個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2019年4月刊行、藤崎翔作「指名手配作家」をご紹介します。藤崎翔さんは、『神様の裏の顔』で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューした新鋭若手作家さんですね。
本作は、若手小説家である主人公が、殺人容疑で指名手配を受けながらもゴーストライターとして再起を図るという、ドタバタホームコメディでした。「指名手配×ゴーストライター」という斬新な設定ながらもストーリーがしっかりと練られており、純粋に面白いと思える良作でした。
ズバリ、この作品は、
概要
売れない小説家・大菅賢は、担当編集者を口論の末に死なせてしまい、逃亡する。潜伏先で自殺を決意するも、すんでの所で桐畑直美と出会い、匿われることに。さらに、直美の覆面作家として賢が小説を書いて再デビューを狙うことで二人は意気投合するのだが、そんな前代未聞のゴーストライター作戦が簡単にうまくいくはずもなく―。著者渾身の傑作ピカレスク・ホームコメディ!(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: ー(作中で登場人物が書いたミステリーは是非読んでみたい)
文章構成: A(度々訪れるピンチの回避方法が面白い)
登場人物: B(主人公二人の性格と事件を通じた成長が伝わりました)
読みやすさ: A(かなりライトな語り口・野草→岡本信人連呼に笑いました)
再読したい度: A(楽しく読めて愛も感じられる良い作品)
ただのドタバタコメディだけでなく、ストーリーとしても練られた作品でした。
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感想
本作は、担当編集者を突き飛ばして殺してしまった事で指名手配された若手小説家の主人公・賢が、逃走中に「自殺しようとしていた女性・直美」を助けることになります。死のうとしていた二人が人生の再起を図るために計画した作戦は「賢が直美のゴーストライターとして小説を書き再デビュー」を試みるというもの。二人は何度も訪れるピンチを様々な「嘘」で回避していきます。「嘘」に「嘘」を重ねた彼らは傷害致死罪の時効20年を耐えることができるのか。
本作は「指名手配×ゴーストライター」という設定を活用して、ハラハラドキドキのホームコメディを展開していきます。このドタバタ劇が非常に面白い。通常、嘘をごまかしすために嘘をつく事で説明がつかなくなっていくわけですが、二人の場合それが何故か面白いようにうまくいってしまう。(笑) 読み進める内に「バレないでほしいな」と、殺人容疑で逃げているはずの主人公を応援してしまうという不思議な作品です。
殺人容疑で逃走中の男と自殺未遂の女が協力して再起を図るという、「奇妙な協力体制」の物語。ストーリーもしっかりしており、次から次へと飽きさせない展開が続きます。最後のエピローグまで読んで、純粋に面白かったなと思える作品でした。誰でも気軽に楽しめる作品だと思いますので、ドタバタコメディを楽しみたいという方は是非ともチェックされてはいかがでしょうか。