『漱石と倫敦ミイラ殺人事件/島田荘司』:ホームズと夏目漱石夢のコラボレーション♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は島田荘司作、「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」をご紹介します。本作は、漱石がロンドン留学中にシャーロックホームズと出会い、摩訶不思議な事件に協力して挑む、という”夢の展開“が描かれております。

ホームズ・ワトソン・漱石という超豪華キャストにも関わらず、何とも笑える作品に仕上がっております。この作品は、ホームズや夏目漱石を知らなくても彼らの雰囲気を味わえる作品となっており、誰にでもおススメできる楽しい小説です。

ズバリ、この作品は、

『笑顔になれる探偵小説が読みたくなる』人向けです。

 

概要

英国に留学中の夏目漱石は、夜毎、亡霊の声に悩まされ、思い余って、シャーロック・ホームズの許を訪ねた。そして、ホームズが抱える難事件の解決に一役買うことになる。それは、恐ろしい呪いをかけられた男が、一夜にしてミイラになってしまったという奇怪な事件であった!年少の読者にも読みやすい「総ルビ版」で贈る、第12回日本ミステリー文学大賞受賞記録企画。(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: A(密室でどうやってミイラが形成されたか?)

文章構成: S(ワトソン視点と漱石視点のギャップが◎)

登場人物: S(ホームズが面白すぎる)

読みやすさ: A(漱石視点とワトソン視点の書き分けがお見事)

再読したい度: S(また再読したいと思わせる作品)

おススメ指数 S
ワトソン視点・漱石視点でのホームズ描写のギャップが面白いです。

 

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感想

本作はロンドンのベーカー街で夏目漱石とシャーロックホームズが出会い、一緒に事件を追うという夢のコラボレーションに胸が熱くなります。本作の秀逸な点は、漱石視点とワトソン視点で物語が進行するのですが、一つの出来事でも全く違う描写がなされていることでしょう。

漱石視点では、ホームズは「頭のおかしいヤバい人」として描かれているのに対し、ワトソン視点では、本家コナンドイル作品のホームズと同様、「頭脳明晰ないつものホームズ」が描かれています。この書き分けが非常に見事であり、ホームズに振り回される漱石がホームズ・ワトソンコンピと一緒に”事件の真相“に迫っていく姿が二つの視点から楽しむことができます。

島田荘司先生は、「御手洗潔シリーズ」が有名だと思いますが、本作品は島田作品初期の隠れた名作と個人的には思います。本作は大変読みやすく、シャーロックホームズ作品を読んだことがない方も楽しめるように配慮されておりますので、ホームズと漱石の熱い出会いをこの本で感じていただければと思います。

 

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