『体育館の殺人/青崎有吾』:高校を舞台にした超ロジカルミステリー♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は青崎有吾作「体育館の殺人」をご紹介します。本作は第22回鮎川哲也賞受賞作であり、青崎有吾さんのデビュー作でもあります。

本作はタイトル通り、学校の体育館にて殺人事件が発生するのですが、学園モノにありがちな青春要素・恋愛要素は一切排除しており、非常に硬派な本格ミステリーが展開されます。作中では、緻密なロジックが構築されており、本格ミステリー好きも納得できる仕上がりとなっております。

ズバリ、この作品は、

『緻密なロジックに裏付けされたミステリーを読みたい』人向けです。

 

概要

風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: S(論理構築が本当に素晴らしかった)

文章構成: S(最後まで気の抜けない展開)

登場人物: B(登場人物は多いですが人物像は良く理解できました)

読みやすさ: A(アニメの小ネタは良くわからなかったです)

再読したい度: S(何回も読み直したい作品)

おススメ指数 S
本作にかける作者の情熱が伝わってきます。純粋に楽しめました。

 

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感想

本作は、アニメオタクで高校の部室に住み着いた高校生・裏染天馬(うらぞめてんま)を探偵役とした本格ミステリー第1弾です。素敵な表紙の学園モノだと侮るなかれ、高校の体育館で起こる殺人事件を非常に順序立てた緻密なロジックで解決していきます。この高い論理性に基づいた推理はエラリー・クイーンの国名シリーズを彷彿とさせます。ライトな語り口ではありますが、作者が”平成のエラリー・クイーン”と言われる理由も納得です。

エラリー・クイーン、国名シリーズ第1作

作中では、裏染天馬が体育館内で構築された密室殺人の事件に挑みます。当初は、本作のワトソン役である袴田柚乃から、容疑者となった先輩の冤罪証明を10万円で引き受けるのですが、最終的に15万円受け取る約束で事件の解決を目指します。この密室が中々の曲者なんですが、非常にロジカルなアプローチで解決へと導いていきます。

特に、作中で”現場に置かれた一本の傘“からロジックを構築していく様には感動しました。犯行現場に残された”一本の傘という要素“だけでここまで想像力を働かせることができるのか。こちらは本作を読んでいただいて楽しんでいただきたいと思います。

学園モノにありがちな恋愛要素などを一切排除し、高い論理性で真っ向勝負を挑んだ本作。読者への挑戦状も含まれており、ミステリーを普段読む方も存分に楽しむことができるかと思います。果たして高校生探偵・裏添天馬はどうやって密室事件を解決したのか、ご興味を持たれた方は是非ともチェックしてみてください。

 

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