個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2019年刊行、周木律作「大聖堂の殺人」をご紹介します。超特殊建築物で発生する殺人事件を描いた「堂」シリーズ。7作目の本作がいよいよ最終作になります。
本シリーズは何回もお伝えしておりますが、第1作から順番通りに読まなければ楽しめなくなっております。特殊系館モノ好きな方は是非とも以下の過去記事をご参照いただき、第1作のメフィスト賞受賞作、「眼球堂の殺人」から順にチェックしていただければと思います。
ズバリ、この作品は、
概要
すべての事件を操る数学者・藤衛に招かれ、北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。そこは、宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。大人気「堂」シリーズ、ここに証明終了!(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: A(外観図を見ただけでワクワクしますね)
文章構成: B(これまでのシリーズも振り返る事ができるようになっています)
登場人物: B(十和田さんのキャラクターが最後まで掴めなかったな~)
読みやすさ: A(数学談義に慣れた自分がいます)
再読したい度: A(周木律さんの他作品も読んでみたくなりました)
建築物を最大限有効活用したシリーズでした。お疲れ様でした。
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感想
最終作である本作では、いよいよ自らを神と名乗る天才数学者・藤衛との最終決戦となります。24年前に数学者4人がそれぞれ、撲殺死体・刺殺死体・凍死体・焼死体という不可解な死体となって発見された孤島で、再び事件が発生します。24年前の事件で生き残った宮司百合子と天才数学者・善知鳥神(うとうかみ)が事件に挑みます。そこに、放浪の数学者・十和田只人がどのように関わってくるのか。物語は思いがけない結末を迎えることになります。
本シリーズの特徴は、やはり「堂」と名付けられた特殊建築物が猛威を振るう点でしょう。本作は「大聖堂」と名付けられた白い塔と黒い塔を組み合わせた異様な建造物が登場します。過去作でも様々な仕掛けが施されていましたが、本作は最大級の仕掛けが用意されておりました。こちらは是非とも本作を読んで楽しんでいただければと思います。
なお、本作の解説は担当編集者『Y氏』が務められています。編集者の方が解説を担当した作品はこれまで読んだ経験がなく、面白い試みだなと感じました。周木律さんの「あとがき」と、編集者さんの「解説」を合わせて読むと、作家さんと編集者さんが二人三脚で作品を創り上げている事を改めて実感します。楽しんで読まさせていただきました。お疲れ様でした。
本シリーズもこの作品で終了となりますが、いよいよ終わりかという寂しい気持ちになりますね。まだ未読の方で興味を持たれた方は、是非とも第1作の「眼球堂の殺人」からチェックしていただければと思います。