『グラスバードは還らない/市川憂人』:鮎川哲也賞作家の本格ミステリー第三弾♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は2018年9月刊行の市川憂人作、「グラスバードは還らない」をご紹介します。本作品はマリア&漣シリーズの第3作であり、2019年版(17年11月〜18年10月発行書籍対象)本格ミステリ・ベスト10の第4位にも選出された作品です。

なお、本作から読み始めても問題ないですが、第1作の「ジェリーフィッシュは凍らない」、第2作の「ブルーローズは眠らない」と世界観を共有しておりますので、未読の方は1作目から読んでいただいた方が楽しめるかと思います。

 

■第1作

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■第2作

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第1作、第2作と同様、独特の世界観に魅了され、最後には衝撃の結末に驚かされました。本格ミステリーとしても素晴らしい内容ですし、気が早いですが次回作を期待せずにはいられない非常に完成度の高い作品でした。

ズバリ、この作品は、

『独特の世界感に入り込みたい』人向けです。

 

概要

マリアと漣は、大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、得意取引先に不動産王ヒュー・サンドフォードがいることを掴む。彼にはサンドフォードタワー最上階の邸宅で、秘蔵の硝子鳥や希少動物を飼っているという噂があった。捜査打ち切りの命令を無視してタワーを訪れた二人だったが、あろうことかタワー内の爆破テロに巻き込まれてしまう!同じ頃、ヒューの所有するガラス製造会社の社員とその関係者四人は、知らぬ間に拘束され、窓のない迷宮に閉じ込められたことに気づく。傍らには、どこからか紛れ込んだ硝子鳥もいた。「答えはお前たちが知っているはずだ」というヒューの伝言に怯える中、突然壁が透明になり、血溜まりに黄たわる社員の姿が…。鮎川哲也賞受賞作家が贈る、本格ミステリーシリーズ第3弾! (「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: S(全ての霧が晴れた時は感動しました)

文章構成: S(当事者視点と刑事視点の同時進行が異様な緊張を醸し出しています)

登場人物: A(自由奔放なマリアと冷静沈着の漣、良いコンビです)

読みやすさ: A(ガラスに関する知見もうまく説明されています)

再読したい度: S(序盤から最後まで惹きつけられる作品)

おススメ指数 S
トリック、プロット、文章全てが秀逸な作品でした。

 

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感想

このシリーズはトリックがしっかり練られているだけでなく、現実世界に+αとしてジェリーフィッシュ(小型飛行船)などの特殊なアイテムを組み合わせることによって独自の世界感を構築しています。読み進めていく内に、現実とは少し異なるこの世界に魅了されていくことでしょう。

本作は、ガラス製造会社の社員達が特殊な密室空間に閉じ込められる”事件当時者視点“と、近くに居合わせたマリアと漣の”刑事視点”が交互に進行していきます。この進行が異様な雰囲気を醸し出しており、どう彼らが交わっていくのか、そしてどのような結末を迎えるのか、非常に気になって最後まで一気に読み進めました

また、もう一つの大きなテーマである硝子鳥(グラスバード)。今回の事件とどう関わっていくのか、これは是非とも読んで確かめていただきたいと思います。

念押しですが、本シリーズ未読の方は第1作「ジェリーフィッシュは凍らない」から読むのがおススメですよ♪

 

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