『ジェリーフィッシュは凍らない/市川憂人』:新感覚クローズドサークル♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は市川憂人さんの「ジェリーフィッシュは凍らない」です。このタイトル、かっこよくないですか?私はこのタイトルに一目惚れして読み始め、内容にも惚れてしまいました。トリック、登場人物、構成全てが魅力的なんです。王道のミステリーではありますが、決して飽きさせない主要人物達の軽快なやりとり、追い詰められていく飛行船内の心理描写、終盤の解決に向けた展開、お見事です。

ズバリ、この作品は、

『新感覚クローズドサークルを味わいたい』人向けです。

 

デビュー作ですが、大変良く練られた作品に感じました。

概要

特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー六人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が…。二十一世紀の『そして誰もいなくなった』登場!選考委員絶賛、精緻に描かれた本格ミステリ。

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: S(基幹、その周辺のトリック全てがお見事)

文章構成: B(ジェリーフィッシュ内と地上が交互に展開)

登場人物: A(警察官2人[マリアと漣]の掛け合いが面白い)

読みやすさ: A(科学用語などは丁寧な説明があり◎)

再読したい度: S(大変面白く読めました)

おススメ指数 S
壮大なトリックは見事でした。非常に素直で素敵なミステリーです。

 

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感想

まず、ジェリーフィッシュという小型飛行船がこの作品を特別なものにしています。そしてその小型飛行船内で起きる連続殺人。この飛行船内の出来事と刑事二人(マリアと漣)が捜査する章が交互に描かれるのですが、少しずつ真相を明らかにする按配がお見事。伏線が少しずつ回収され小さな謎が解かれていく過程を頷きながら読み進めるわけですが最後に壮大なトリックが明らかにされる。ボクシングで言えばジャブが続いた後のストレートですね。そのストレートが強烈なんです。それだけに終盤は読み終わるのが残念になるほど。

また、刑事二人のやり取りが素晴らしいですね。この二人のキャラが確立されているので、ずっと二人の会話を聞いていたくなりますね。2018年現在3作目まで発行されておりますのでまだまだ楽しむことができますよ。

「ジェリーフィッシュは凍らない」、このタイトルのピンときた方は是非手に取ってみてはいかがでしょう。

 

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