『罪と祈り/貫井徳郎』:時代に翻弄された男達に隠された真実とは?

個人的こんな方におススメ♬

 

こんにちは、RKOです。本日は2019年刊行、貫井徳郎作「罪と祈り」をご紹介します。

 

貫井徳郎さんの長編ミステリーという事で期待せざるを得ない作品。読み始める前から、「誰の罪なのか?誰が誰のために祈るのか?」気になっておりましたが、読み終えてこの言葉の重みが一層感じられる作品でした。人間の愚かさ、命の儚さや尊さについて改めて実感させられます。

 

ズバリ、この作品は、

『読後の余韻に浸りたい』人向けです。

 

概要

 

元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。当初は事故と思われたが、側頭部に殴られた痕がみつかった。真面目で正義感溢れる辰司が、なぜ殺されたのか?息子の亮輔と幼馴染みで刑事の賢剛は、死の謎を追い、賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが…。隅田川で死んだふたり。そして、時代を揺るがした未解決誘拐事件の真相とは?辰司と智士、亮輔と賢剛、男たちの「絆」と「葛藤」を描く、儚くも哀しい、衝撃の長編ミステリー!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

 

謎の素晴らしさ: B(貫井さんの長編ミステリーを読めるだけでも満足かな?)

文章構成: S(2つの時代軸が交差しながら、真実が明らかになっていきます)

登場人物: B(私には登場人物達の考えが理解できなかった・・・)

読みやすさ: A(重厚感のある内容ながら一気読みできる作品かな)

再読したい度: B(自分の家族の事も考えてしまいました)

おススメ指数 B

何が正解なのか?知らない方がいいのか?深く考えさせられるミステリーです。

 

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感想

 

東京の浅草に住む元刑事・辰司が水死体として発見されます。辰司には頭を殴打された後があり、不審に思った息子の亮輔と幼馴染で刑事の賢剛は辰司が誰に殺されたのか調査を行います。亮輔は、父・辰司の死が28年前に起きた賢剛の父・智士の自殺と関係があるのではないかと考え、幼馴染の父の自殺の真相についても独自に調査していきます。そこには、過去の悲しい事件の存在が潜んでいました。果たして誰が罪を犯し、誰が誰に祈りを捧げたのか?

 

本作は、第一部から第七部の七部構成となっており、奇数部は息子である亮輔と賢剛偶数部は父である辰司と智士という二つの視点から語られます。また、それぞれの部でも二人交互の視点から語られる構成となっており、四人の想いや考え方が伝わるように考えらています。また、ストーリーが進行するにつれて次第に過去が明らかになっていく構成が素晴らしいですね。

 

また、過去の時代背景として、昭和から平成という時代の移り変わりが描かれています。バブル期の地上げを発端とした痛ましい事件。誰に対して怒りをぶつければいいのかわからず路頭に迷い時代に翻弄される人々の苦しみが痛いほど伝わってきます。

 

罪と祈り」という言葉の重みが感じられる作品。特に昭和から平成に移り変わる時代に翻弄された人々の苦しみが伝わる作品でした。もしご興味を持たれた方は本作をチェックしてみてください。

 

 

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