『腕貫探偵/西澤保彦』:謎の公務員がお悩みを解決するユーモラスなミステリー♬

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個人的こんな方におススメ♬

こんにちは、RKOです。本日は2005年刊行、西澤保彦作「腕貫探偵」をご紹介します。本作は7つの短編が収録された短編集です。

病院や大学など、至るところに突然出没する『市民サーヴィス課臨時出張所』。悩める市民達から次々と不思議な事件が持ち込まれます。応対するのは「黒い腕貫」をした公務員男性。スタイルは『アームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)』ならぬ『アームバンドディテクティブ(腕貫探偵)』であり、その場にいながら事件を紐解いていきます。西澤保彦さんらしいユーモアのあるミステリーでした。

ズバリ、この作品は、

『ユーモラス気軽に読めるミステリーを読みたい』人向けです。

 

概要

隣人の死体に遭遇…しかも移動した?行方不明になった学生?母親が突然欝になった?二股がバレて別れた相手との復活愛はあり?さまざまな悩める市民の相談ごとが持ち込まれる「市民サーヴィス課臨時出張所」で応対するのは、黒い腕貫を嵌めた年齢不詳の職員だ。聞き上手なその誘いにのって、ついついプライベートな悩みごとを話してしまうと…さらりと返されてくるひと言に問題解決の重大なヒントが…。軽妙なユーモアたっぷりな筆致で描く連作ミステリ七編。 (「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

謎の素晴らしさ: B(各話終盤の謎解きパートは気持ちいいです)

文章構成: B(ジワジワ良さが伝わってくる作品)

登場人物: C(登場人物の名前が読めない・・・(笑))

読みやすさ: B(理詰めミステリーですが気軽に読める部類かと)

再読したい度: B(シリーズ化しておりますので自作に期待です)

おススメ指数 B
ユーモアのある気軽に楽しめるミステリーでした。面白かった。

 

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感想

本作は、短編7編それぞれ相談者(主人公)が異なっており、各相談者が体験した不思議な事件を『市民サーヴィス課臨時出張所』に持ち込みます。応対する腕貫をした公務員男性・通称「腕貫さん」は”相談者達の話を聞いただけ“で一つの結論に彼らを導いていきます。

各話の見どころは、終盤の腕貫さんの爽快解決パートです。前半の相談者が体験談を語るパートでは首をかしげるほど難しく感じた謎が、後半の解決パートですんなり落ちてきてスカッとできる作品です。

相談者の体験談を元に一つの結論を導く安楽椅子形式のミステリーですし、腕貫さんのひたすらスゴイ想像力を楽しむ作品ですので、しっかり練られた本格ミステリーを楽しみたい人は少し拍子抜けするかもしれませんね。一方で、気軽に楽しめる短編ミステリーを読みたい方にはおススメしたい作品です。

西澤保彦さんの人気作であり、シリーズ化もしている本作。SF作品ではないですが、西澤さんらしいユーモラスで軽妙な会話を楽しめますので、興味を持たれた方は是非ともチェックされてはいかがでしょうか。

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