『希望と殺意はレールに乗って/山本巧次』:鉄道計画の裏に隠された闇に迫る鉄道ミステリー

個人的こんな方におススメ♬

 

こんにちは、RKOです。本日は2020年1月刊行、山本巧次作「希望と殺意はレールに乗って」をご紹介します。山本巧次さんは、2015年に「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉として刊行された『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』でデビューされた作家さんです。

 

(参考)大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう

本作は、戦後の鉄道建設の裏に隠された真相の解明に、アメリカかぶれ(アメかぶ)の小説家・城之内和樹が挑む作品です。現役の鉄道会社社員である作者ならではのコアな鉄道開発話とミステリーがうまく融合した作品に仕上がっております。

 

ズバリ、この作品は、

『一気読みできる鉄道ミステリーを読みたい』人向けです。

 

概要

 

鉄道建設の陳情で長野の山間の村から上京中の村会議員が殺害され、裏金が奪われた。目撃談も証拠も得られず警察が頼ったのは、人気推理小説家でアメリカかぶれの探偵・城之内和樹と助手で旧華族のお嬢様・奥平真優。村へ向かった二人を待ち受けていたのは、鉄道計画を巡り対立する村民、開発に群がる人々、そして新たな事件。型にはまらない二人の大胆行動と推理で、村に潜む闇に迫る!謎に次ぐ謎、鮮やかな推理、あふれる旅情。注目作家の一気読みミステリー!(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

 

謎の素晴らしさ: B(鉄道建設を巡る様々な人物達の思惑を推理しながら楽しめました)

文章構成: B(シンプルな構成で確かに一気読みできる作品です)

登場人物: C(そこまでアメリカかぶれではないような・・・)

読みやすさ: A(鉄道に詳しくなくても楽しめます)

再読したい度: C(次回はお嬢様・真優様が主人公でもいいのでは?)

おススメ指数 B

お嬢様・真優様のキャラが立っていましたね。続編もあるんでしょうか。

 

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感想

 

時は戦後、鉄道建設を誘致する長野の小さな村の村会議員・原渕が上京中に何者かに殺害されます。原渕が持っていたはずの裏金が奪われていた事を不審に思ったアメリカかぶれの小説家・城之内和樹は、編集者の沢口、元華族のお嬢様・奥平真優と共に、長野の村へ向かいます。この村では鉄道誘致を巡る様々な村民達の思惑が渦巻いていました。果たして原渕を殺したのは誰なのか?奪われた裏金はどこに?アメリカかぶれの探偵(アメかぶ探偵)城之内が殺人事件の裏に隠された陰謀に挑みます。

 

本作の主人公はアメリカかぶれの小説家・城之内和樹ですが、城之内の周りの登場人物達も個性豊かな面々が揃っています。その中でも元華族で城之内の秘書である奥平真優のキャラが際立っていましたね。もう少し主人公の城之内のキャラが確立されてくると、キャラクター同士のやり取りが一層楽しいものに感じられるかなと感じました。

 

鉄道建設誘致を巡るストーリーは、リアリティが感じられる造りを意識されていて非常に楽しめました。現役の鉄道会社社員である山本巧次さんならではの作品ではないでしょうか。かといって専門用語はほとんど使われていないので、私のような詳しくない人間でも理解できるよう非常に分かりやすく説明されています。

 

鉄道誘致の裏に隠された真相とは?一気読みできる良質鉄道ミステリーですので、もしご興味を持たれた方は是非とも本作をチェックしてみてください。

 

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