個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2019年刊行、歌野晶午作「間宵の母(まよいのはは)」をご紹介します。
久しぶりの歌野晶午作品は四章から成る長編。異様に黒い表紙からはホラー系作品なのかな?と想像しましたが、ただのホラー作品ではなく、散りばめられた違和感にゾワゾワする良質ホラー・ミステリーでした。
ズバリ、この作品は、
概要
小学三年生の詩穂と首江子は親友同士だったが、紗江子の母の再婚相手である若い義父と詩穂の母が失踪した。その日から紗江子の母の精神状態は普通ではなくなる。詩穂も父親から暴力を受けるようになり、児童養護施設に入れられてしまう。その後、二人は悪夢のような人生を送ることになるのだが、実は驚くべき真実が隠されていた。著者最恐のホラー・ミステリー。(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: A(小学生の話からどうしてアソコまで(笑))
文章構成: A(続きが気になる構成に最後まで惹きつけられます)
登場人物: B(人間の気持ちなんてわからない・・・)
読みやすさ: A(「狂気」の正体が気になって最後まで引っ張られました)
再読したい度: A(母は強いですね・・・)
おススメ指数 A
ただ怖いだけでない。「違和感」という怖さを改めて感じた作品。
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感想
本作は、間宵紗江子という人物を中心とし、彼女の周囲で起こった様々な出来事を描いた作品です。四章から成り、それぞれ異なる人物が語り手として登場します。小学校の同級生、職場の先輩など、語り手によって彼女の雰囲気・印象が巧みに描き分かれており、リアルな臨場感が読者を惹きつけます。
第一章では間宵の父、第二章では間宵の母、第三章では間宵の娘といったように、彼女の家族が描かれていくわけですが、これがじわじわと来ます。途中で現実なのか幻想なのかわからなくなる程の読者を翻弄するテクニックが満載。物語にのめり込むほど、前後不覚に陥ってしまいます。現実世界では体験できない不思議な世界を味わうことができるのも本作の魅力な点でしょうか。
そして、終盤に次第に明らかとなっていく「違和感」の正体。徐々に間宵家に抱く「違和感」が明らかとなっていく様は、まさに目の前で霧が晴れていくような感覚でした。真相が気になってしまい、最後まで一気読み必至の作品です。
違和感にゾワゾワする良質ホラーミステリーである本作。最後まで真相が気になって仕方ない魅力あふれる作品です。もしご興味を持たれた方は是非とも本作をチェックしてみてください。