個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2020年1月刊行、藤崎翔作「OJOGIWA」をご紹介します。元芸人という肩書の藤崎翔さんが手掛けるエンターテインメント性の高い作品です。藤崎翔さんの作品では、「覆面作家」という作品をご紹介しましたが、こちらもクオリティの高い作品だったので是非ともチェックしてみください。
(参考)覆面作家/藤崎翔
本作では、自殺しようと集まった4人の男女が偶然殺人事件の現場を目撃した事から始まる悲劇が描かれます。ちなみに、『力士とサメ』という不思議なイラストに惹かれますが、どちらも作品には登場はしません。
ズバリ、この作品は、
概要
ネットで知り合い、それぞれの事情から練炭による自殺を画策する四人の男女。
ワゴン車の車内で炭に火がつけられた時、彼らは銃撃事件を偶然目撃する。
撃たれて倒れる男、銃を放り出して逃走する犯人。
四人は戦慄するが、男の側に大量の札束が転がっているのを見た瞬間、邪な気持ちが芽生える。
しかし彼らの取った行動が、想像を絶する恐怖の扉を開けてしまう……。
(「BOOK」データベースより)
RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: B(伏線が空から降ってくる感じ)
文章構成: B(ラストの着地点は作者のOJOGIWAが・・・)
登場人物: A(4人の人物像が掴めて面白いですね)
読みやすさ: S(テンポも良く、非常に読みやすいですね)
再読したい度: A(二週目は違った景色が見えそう)
おススメ指数 A
ただのエンタメ小説ではなく、必ず一捻りしてあるのが藤崎作品の醍醐味ですね。
感想
自殺サイトで知り合った4人の男女。彼らは「オーバー」「粗大ゴミ」「化け猫」「失敗作」というハンドルネームで呼び合い、練炭自殺をしようとワゴン車の車内に集まっていました。いざ自殺しようとした時に外で銃撃事件が発生、残された車には男の死体と3000万円が。一度は死を決意した人間達がこのお金を分け合いもう一度人生をやり直すことに。ところがこのお金を受け取ったことが彼らの悲劇の始まりでした。
本作では、お金を受け取った4人の『その後』が順番に描かれます。一度死を覚悟した人間がヤクザの組織から狙われる事に。非常にテンポが良く、ボリュームとしてもそこまで多くないので、どんどん読み進めることができるでしょう。途中で様々な伏線(?)が登場しますので、本作の着地点を想像しながら楽しむことができる作品です。
藤崎翔さんの作品はどの作品もそうですが、キャラクターの人物像が丁寧に描かれていて、彼らの「人間味」を作中から感じることができるのが特徴かなと個人的には思います。本作ではヤクザの組織に追われる身になってしまうわけですが、彼らの往生際はいいのか、それとも悪いのかは本作を読んで確かめていただければと思います。
期待の若手作家・藤崎翔さんのエンターテインメント小説です。最後はどこに着地するのか?自殺を決意した4人の新たな人生とは?もしご興味を持たれた方は是非とも本作をチェックしてみてください。