『時空旅行者の砂時計/方丈貴恵』:第29回鮎川哲也賞受賞作

個人的こんな方におススメ♬

 

こんにちは、RKOです。本日は2019年刊行、方丈貴恵作「時空旅行者の砂時計」をご紹介します。本作は第29回鮎川哲也賞受賞作です。毎年楽しみにしている鮎川哲也賞ですが今年も個性溢れる作品が受賞しましたね。

 

鮎川哲也賞は東京創元社が主催する長編ミステリの新人賞で、例年高クオリティの本格ミステリー作品が受賞しています。本作は「本格ミステリー×タイムトラベル」というトンデモ展開となりつつも本格らしさを意識した興味深い作品でした。綾辻行人さん、麻耶雄嵩さんらを輩出した京都大学推理小説研究会出身でもあり、今後の作品も非常に楽しみな作家さんですね。

 

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はじめにこんにちは、RKOです。本日はオススメミステリーとして、鮎川哲也賞作品をご紹介します。過去には加納朋子さんや 近藤史恵さんといったミステリー作家さんを輩出した新人文学賞で、創意と情熱溢れる鮮烈な推理長編をテーマとし、ミステリ[…]

 

ズバリ、この作品は、

『トンデモ展開でありつつも推理も楽しみたい』人向けです。

 

概要

 

瀕死の妻のために謎の声に従い、二〇一八年から一九六〇年にタイムトラベルした主人公・加茂。妻の先祖・竜泉家の人々が殺害され、後に起こった土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相の解明が、彼女の命を救うことに繋がるという。タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は二〇一八年に戻ることができるのか!?“令和のアルフレッド・ベスター”による、SF設定を本格ミステリに盛り込んだ、第二十九回鮎川哲也賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

 

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RKOの個人的おススメ指数

 

謎の素晴らしさ: B(タイムトラベルならではの推理ポイントも)

文章構成: A(終盤の展開は素敵ですね)

登場人物: C(各キャラクターの特徴が今一つ掴めず覚えるのに苦労しました)

読みやすさ: C(フェアを意識してかと思いますが冗長な部分も・・・)

再読したい度: B(次回作も楽しみですね)

おススメ指数 B

「タイムトラベル×本格ミステリー」というだけでもワクワクしますね。

 

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感想

 

妻である怜奈が重い病気にかかってしまい途方に暮れる加茂冬馬の元に一通の電話が。「マイスター・ホラ」と名乗る男から、怜奈の先祖・竜泉家の人達に降りかかる「呪い」の事、その呪いには、約60年前に起きた『死野の惨劇』が関係している事を告げられます。タイムトラベルによって約60年前の惨劇の舞台に降り立った冬馬は、13歳の少女・文香と共に、惨劇を未然に防ぐ事で竜泉家の呪いを解くため奔走することに。果たしてマイスター・ホラの目的は?妻を救うため、60年前に起きた不可能犯罪に挑みます。

 

本作のキーポイントは「タイムトラベル」です。タイムトラベルという本来本格ミステリでは御法度な展開ながらも、その設定をうまく活用してしっかりと本格ミステリとして成り立っているというのは流石です。選考委員の加納朋子さんは、「ホップ、ステップ、成層圏!」と評していました。私もこれまであまり読んだことのない展開とルール説明に初めは戸惑いましたが、最後まで読ませてしまう謎のクオリティで満足できる作品でした。

 

また、冒頭から地図や家系図が並ぶ「本格ミステリ」らしい始まり、ミステリとしてフェアに徹する詳細な状況説明、読者への挑戦状など、ミステリファンのツボを押さえる推理を楽しめるポイントが満載です。作者さんのミステリ愛が伝わってきて、楽しみながら読む事ができました。「タイムトラベル」はあくまで作品のエッセンスとして効いており、本格ミステリとしての軸がしっかりしているから、トンデモ展開になっても楽しめるんだなと改めて感じました。

 

第29回鮎川哲也賞受賞作であり、「タイムトラベル×本格ミステリ」の本作。タイムトラベルならではの推理ポイントもあり、新しい本格ミステリを楽しめる作品かと思います。もしご興味を持たれた方は是非とも本作をチェックしてみてください。

 

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