個人的こんな方におススメ♬
こんにちは、RKOです。本日は2019年刊行、アンソニー・ホロヴィッツ作、「メインテーマは殺人(The Word is Murder)」をご紹介したいと思います。カササギ殺人事件で2018年の国内ミステリランキング7冠を達成した作者が贈る「2019年必読作」です。
(参考)カササギ殺人事件(上・下)
カササギ殺人事件では、アガサクリスティのミステリーを想起させる要素が盛り込まれていましたが、本作では、作者自身を語り手として、ホームズとワトソンのような奇妙で絶妙な関係性が演出された本格ミステリーが展開されます。
ズバリ、この作品は、
概要
自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は、自分が殺されると知っていたのか?作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる…。自らをワトスン役に配した、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ!7冠制覇の『カササギ殺人事件』に並ぶ傑作!(「BOOK」データベースより)
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RKOの個人的おススメ指数
謎の素晴らしさ: S(シンプルで納得性の高い見事なトリックでした)
文章構成: S(謎・伏線の配置いずれも素晴らしいものでした)
登場人物: A(探偵役のホーソーンと振り回されるホロヴィッツの関係性にハマりました)
読みやすさ: A(語り手であるホロヴィッツの愚痴?が何気に面白い)
再読したい度: S(再読したいと思わせる仕掛けが満載)
おススメ指数 S
まるで現代のホームズとワトソンのような「奇妙で絶妙な関係のコンビ誕生」ですね。
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感想
作家・アンソニー・ホロヴィッツのもとに、刑事ドラマの脚本を担当した際に知り合った元刑事・ホーソーンから提案を受けます。それは、「ある事件について自身が捜査・解決するのを本にしないか?」というもの。ホーソーンが捜査するのは、資産家の老婦人が『自身の葬儀を手配したその日に殺害された事件』でした。魅力的な事件だけに渋々承諾するアンソニー。なぜ、婦人は葬儀を手配した当日に殺されたのか?犯人は誰なのか?ホーソーンとアンソニーの奇妙なコンビが事件の核心に迫ります。
本作は、作家である作者自身を語り手・ワトソン役、ホームズ役を元刑事のホーソーンが担当するという面白い試みの作品です。作家である本人を語り手とする事で、推理小説の中での事件と実際の事件との違いについても説得力があり、非常にリアリティの高いミステリーとしても楽しめます。
また、作者自身が見た光景が非常に丁寧に描写されており、ミステリーとしてもフェアな所が好印象です。伏線の配置も見事ですね。終盤で伏線が全て回収されていくパートは圧巻です。本格ミステリ作品では、伏線を隠そうとするあまり終盤の推理パートで「???」となる作品も結構あるんですが、本作はさりげない伏線の配置が絶妙です。また多くの映画・ドラマ脚本を手掛けた作者らしくエンターテインメントとしても楽しめる作品でした。
なお、作家である作者が語り手である事を活用した「作品と業界小ネタ」パートもお楽しみポイントです。「007シリーズ」や「タンタンの冒険」など彼が手がけた作品の裏側部分が書かれており、作者の作家・脚本家としての活動も知ることができます。ビッグネームも登場するのですが是非とも本作を読んで楽しんでください。
作者自身を語り手とし、自分自身も推理しながら楽しめる本作。なぜ老婦人は葬儀の手配をした当日に殺されたのか?結末が気になる方は是非とも本作をチェックしてみてください。